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夢幻水滸伝

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第六十四話 頼りになる後輩達その十二

「今からこっちに来てくれるで」
「そうか、それはええな」
「それでな」
 綾乃は中里にさらに話した。
「有島君と若山君も呼ぶらしいわ」
「他の工業科の一年の星の奴もか」
「そうしてくれるらしいわ」
「そうか、ほなな」
「今からやね」
「工業科の一年と会おうか」
「そうしような」
「三人おるからな」
 芥川は工業科の一年の星の者達の数を話した。
「今出た面子や」
「そうやったな、今工業科の一年の星の奴は三人やったな」
 中里もその数に頷いた。
「それだけやったな」
「その三人とや」
「今から会うな」
「そや、ほなもうすぐこっちに来るな」
「そやで」
 綾乃はにこりと笑って答えた、そしてだった。
 程なくして三人の男女が来た、まずは青地で襟のところが白や赤で奇麗になっている首元まで閉められた上着と赤いネクタイに上着と同じ色のひらひらとしたミニスカートの一五三程の背の胸の大きな少女が挨拶をしてきた、黒髪をボブにしていて黒目はかなり大きくはっきりとした明るい顔立ちである。
「どうも、北房江です」
「こっちのせかいではその外見やな」
「そうです、まあこっちでも大工関係勉強してます」
 房江は両手を腰に置いて中里に明るく応えた。
「家業継ぐんで」
「家も大工か」
「そうなんです」
 こう語った。
「あっちの世界とそこは一緒ですね」
「そやな、お陰で民家が随分よくなった」
「建築とはまたちゃいますけれどね」
 大工はというのだ。
「頑張らさせてもらってます」
「その頑張り効いてええ家出来てきてるで」
「これからもどんどんいい家にしていきますね」
「頼むで」
「こっちの世界でははじめまして」
 今度は一七五程の背の細い目の男が挨拶をしてきた、茶色の髪の毛をオールバックにしていて着ている制服はグレーの七つボタンの極短ランだ。
「有島流星です、一年D組です」
「若山茂です」
 最後は一七〇位のがっしりとした外見の少年だった、黒髪は短く目は小さいが口は大きく鼻もしっかりしている。縁や袖が黒くなっているダークグレーのボタンではなくフックの中ラン位の丈の制服を着ている。
「一年E組です」
「ちなみにうちはC組です」
 房江も自分のクラスを言ってきた。
「こっちの世界でも宜しくお願いします」
「ちなみにあっしはこっちの世界では義賊でも何でもありやせん」
 有島は三人に笑って話した。
「盗みとかはしやせん」
「これでも真面目な奴なんです」
 若山がフォローを入れた。
「部活でも何でも」
「部活は何や」
「二人共ラグビー部です」
 若山は中里にこのことも話した。
「楽しくやっています」
「ちなみにうちは卓球部です」
 房江も自分の部活のことを話した。
「面白いですよ」
「それぞれ学園生活を満喫してるんやな」
「ここの工業科女の子も多いですからね」
 房江は中里に笑って話した。
「いいところですよ」
「普通工業科って女の子少ないからな」
「殆どいない位ですよね」
「大抵はな」
「けれどここは多いですから」
 ただし全体的にどうしても男子の方が多い、工業科はどうしてもそうなってしまうのは仕方がないことだ。 
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