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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百六十六話 長くなってきた夜その八

「何かと張り合うことが多いな」
「そういえばそうよね」
「何かね」
 香織さんと詩織さんは井上さんの今の指摘に頷いた。
「オーストラリアとニュージーランドって」
「ラグビーでも今の羊でもね」
「他のことでもね」
「張り合うことが多いわね」
「同じ英語圏で兄弟国同士だな」
 井上さんは両国のこのことを指摘した。
「それで交流も盛んだな」
「まさにパートナー」
「兄弟そものもですわ」
「オセアニアの国家で相棒同士」
「絆は深いですわよ」
「そのうえでライバル関係か」
 井上さんはここで両国の関係をこう述べた。
「ラグビーでも羊でも」
「だから負ける訳にはいかない」
「何でもそうですわ」
「ニュージーランドは親友で兄弟でライバル」
「こちらもそう思ってますわ」
「そうした張り合いか、言葉も通じるから余計にだな」
 同じ英語の国だ、とはいってもそれぞれの国で訛りがあるらしい。
「張り合うか」
「そう、羊でも」
「そうなのでしてよ」
「そのことが今よくわかった、しかしジンギスカンでもニュージーランド産の羊というのは実に面白い」
 井上さんはここで話を戻した、北海道のそれに。
「というか本当に北海道でも羊は少ないな」
「牛は本当に多いけれど」
 道民としてまた言う香織さんだった。
「羊は確かに少ないわね」
「そうだな」
「豚もいて鶏もいて馬は道産子で」
「色々な家畜もいるが」
「羊は少ないのよね」
「というか羊って北海道でも」 
 やはり道民の美沙さんも言ってきた。
「実はあまり食べないわよね」
「牛肉とか海の幸ね」
「そっちよね」
「というか日本人って」
 詩織さんは日本人の食文化全体を見て言った、北海道だけでなくだ。
「羊食べること少ないわよね」
「美味しくてもね」
「そうよね」
 香織さんも美沙さんも詩織さんに応えた。
「どうしてもね」
「お魚とか牛肉、豚肉が多くて」
「あと鶏肉」
「こういうのよね」
「鯨も食べるし」
「そういった食文化で」
 本当にそういったものを主に食べてだ。
「羊となると」
「あまりね」
「そういえば私達も」
「そうですわね」
 エリザさんとジョーンさんは今は歩調を合わせて話した。
「お魚を食べる機会が凄く増えまして」
「羊食べる機会減ったわ」
「祖国にいた時は週に一回は絶対に食べていましたのに」
「それがもう殆ど」
「お魚は本当に多いからね、日本は」
 僕が二人に応えて言った。
「牛肉よりも多い位だから、今も」
「種類も多いしね」
 香織さんも僕に応えて言う。
「鯛もあれば鮪、鮃、鰈、鯖に鰯に秋刀魚にね」
「色々あるよね」
「ハマチだってね」
 ブリも入る、ここには。
「鮭や鱒もあるし」
「北海道では有名だね」
「そういうのがあるから、貝や海老だってあるし」
「蛸とかね」
「そうそう、たこ焼きにしたりして」
「蛸は人を殺すこともありますけれど」
 ジョーンさんは日本人がほぼ確実に知らないことを言ってきた。 
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