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夢幻水滸伝

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第六十四話 頼りになる後輩達その十

「ほなな」
「これから頼むで」
 お互いにこれからのことを話した、こうして北原とも会ってだった。
 三人は今度は工業科の二年の校舎に入った、ここで中里はこんなことを言った。
「そういえば工業科の二年多いな」
「ああ、うちの星の奴にな」
 芥川も中里に応えた。
「結構おるな」
「そやな」
「井伏と山本もやしな」
 まずは山陽の彼等の名前が出た。
「そこに二人」
「四人な」
「結構多いな」
「そやな」
「今度は麻里佳ちゃんと川端君やね」
 綾乃はその二人の具体的な名前を挙げた。
「この子等やね」
「そや、麻里佳ちゃんがD組で川端はC組や」
 芥川は二人のそれぞれのクラスのことを話した。
「どっちかのクラスに行ってや」
「もう一人にも来てもらうか」
「そうしよか」
 二人で話してだ、そしてだった。
 中里も入れて三人でまずはC組に行こうと思ったがそのC組から青い詰襟の制服を着た眼鏡をかけた色の黒い学生が出て来た、髪の毛は七三分けにしていて黒縁の眼鏡をかけている。背は一七〇程だ。
 その彼がだ、もう一人と一緒に出て来たがこちらはというと。
 茶色の髪をショートヘアにしているはっきりとした目の少女だった、緑のブレザーと青のリボンに白いブラウス、緑に青や黒、それに白のタートンチェックのミニスカートという恰好だ。背は一六五位である。その二人がだ。
 三人を見てだ、こう言ってきた。
「あっ、こちらにですか」
「来てくれたんですか」
「そやけどな、ひょっとしてな」
 芥川は自分達に声をかけてきた男女に対して応えた。
「自分等がかいな」
「はい、川端豊です」
「三島麻里佳です」
 二人はそれぞれ名乗った。
「こっちの世界でははじめてですね」
「北原先輩から連絡を受けてお会いに行くつもりでした」
「ですがその前にですね」
「お会い出来ましたね」
「そやね、しかし何ていうか」 
 二人を見てだ、綾乃はこんなことを言った。
「自分等はあっちの世界の面影あまりないね」
「あーしはこれです」
 麻里佳は笑って口を開いた、そうして自分の八重歯を指し示して話した。
「ンヤダクの牙です」
「ああ、それな」
「わいはわいで工業科でそっちですから」
 鉱山関係だというのだ。
「そっち勉強させてもらってるさかい」
「それでかいな」
「はい、あと色が黒いでっしゃろ」
「ゴブリンもそうやしか」
「あそこまで小さくはないですけど」
 それでもというのだ。
「ちゃんと名残はあります」
「そやねんね」
「はい、それとですが」
「それと?」
「今こうして回ってるんですか」
「そやねん、新たに仲間になった子達のとこをな」
 その通りだとだ、綾乃は川端に答えた。 
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