八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百六十六話 長くなってきた夜その五
「二代目は落雷でね」
「江戸時代によね」
「うん、焼け落ちて」
「それから三代目が建つまで天守閣なかったのね」
「昭和までね」
そう思うとかなり長い間なかったのだ、大阪城の天守閣は。
「なかったんだよ」
「それが出来てなのね」
「うん、よく壊されてるんだ」
「そうなのね」
「姫路城は壊されないんだよね」
兵庫県民としては何といってもこちらがシンボルだ、天下一とさえ言われた白鷺の天守閣は誇りでもある。
「あのお城は」
「大阪城と違って」
「あと名古屋城も壊されてたかな」
こちらはゴジラにだ。
「そういえばあそこも二代目だしね」
「確かあそこは空襲で」
「そう、焼けてね」
名古屋から来ている子がこのことを残念がっている。
「二代目なんだ」
「そうなのね」
「あの鯱も暫く行方不明だったりしたし」
「あの金の鯱ね」
「今はあるけれどね」
目出度く見付かってだ。
「そうした歴史もあったんだ」
「天守閣が二代目なのは知ってたけれど」
「鯱にもそうした歴史があったんだ」
「そういうことなのね」
「あのお城でもね」
「そうなのね、天守閣がないと」
詩織さんはここで僕にこう言った。
「お城って感じしないわよね」
「ああ、お城イコールだね」
「天守閣って感じするでしょ」
「それは言えるね」
「それは違うわヨ」
「そうある」
ジューンさんと水蓮さんが僕の今の言葉に突っ込みを入れてきた。
「お城イコール街ある」
「壁に囲まれたネ」
「天守閣は問題じゃないある」
「そう思うけれド、私ハ」
「ああ、中国とかはそうだよね」
アメリカも欧州の影響を受けていて暫く街はそうだったらしい、ウォール街という言葉も街を囲んでいた城壁からきている。
「城塞都市だから」
「そう、だから天守閣よりもネ」
「壁あるよ」
「壁がお城の特徴ヨ」
「これがあるかどうかある」
「日本じゃそうしたお城少ないからね」
街を囲んでいるお城はだ。
「大坂城は最初そうだったけれど」
「あれは小田原だな」
井上さんが言ってきた。
「はじまりは」
「日本ではですね」
「日本では惣構えというが」
そうした街まで堀や石垣で囲んだお城はだ。
「小田原がはじまりだ」
「平城京や平安京とは別にでしたね」
「日本の今で言うお城となるとですね」
「あの城からだ」
「街も囲んでいますね」
「そうなった」
ゲームでもやたら大きい堅固なお城として出て来る小田原城がというのだ、その堅固さは戦国ゲームではいつも日本のお城でトップクラスだ。
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