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夢幻水滸伝

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第六十四話 頼りになる後輩達その二

「こっちの世界での雪路ちゃん達に」
「私達ですか」
「そやで」
 和やかな癒しを感じさせる笑みでの返事だった。
「それで来たんやで」
「そうでしたか、それじゃあ」
「ああ、他の人の星の連中集めてくれるか?」
 芥川は雪路の言おうとした言葉を先に出した。
「そうしてくれるか?」
「はい、今から呼びますね」
 雪路は携帯を出しつつ応えた、そしてだった。
 まずは白い雪の様な肌に切れ長の目と楚々とした顔立ちの少女が来た、青いブレザーと水色のブレザーに紺色のリボンの上と青地に黒や白やグレーノタートンチェックが入った短いスカートという服装だ。黒く腰まである奇麗な黒髪が大和撫子の趣を見せている。
 もう一人来たがそれは朴訥な外見の一七五位の背の男で髪の毛は黒く短めにしている。丸い鼻と大きな口が目立つ。身体つきは細めだが筋肉はしっかりした感じだ。濃い青のブレザーの下は赤いズボンでネクタイも青だ、ブレザーはやや色の薄い青だ。
 その二人がだ、三人のところに来てそれぞれ名乗った。
「萩原宮子です」
「宮沢雄作です」
「他の普通科にいる連中とはもう会ってますよね」
 雪路は二人の名乗りの後で三人に問うた。
「佐藤兄妹とか例の四人とか」
「例のでわかるからな」
 中里は雪路のその言葉にしみじみとした口調で応えた、
「ほんまに」
「そうですよね」
「ああ、連中はな」
 実際にとだ、中里はその四人のことをこう評価した。
「もうおるだけでな」
「賑やかになる、ですか」
「そやからな」
 それでというのだ。
「もうこっちの世界では一回会ってるし」
「だからですね」
「今回は会うつもりないわ」
「そうですか」
「ああ、そやからこの二人に絞ってくれたんはな」
「よかったですか」
「よおこの二人だけってわかったな」
「まあ何となく。勘でなんですよ」
 雪路はその大きな口で笑ってみせて話した。
「先輩達が私に会いたいって言ってきて」
「そこで勘付いたんやな」
「はい、こっちの世界ではまだ会ってない奴に会いたいんだなって」
「鋭いな」
「まあ勘はいい方なんで」
「それでか」
「はい、それでその通りでしたね」
 雪路はまた自分から話した。
「よかったですよ」
「そういえば自分結構な」
 今度は芥川が雪路に言った。
「鋭いし頭も切れるな」
「だといいですがね」
「只のストリートギャングやないな」
「昔から学業は疎かにしていませんけれどね」
「突っ張っていてもっていうんやな」
「ヤンキーですけれどね」
 自分でこう言った雪路だった。
「喧嘩っぱやくて」
「自分で喧嘩せんって聞いたで」
「そうですかね」
「ああ、その頭も期待させてもらうで」
 芥川は軍師として雪路に笑って声をかけた。
「是非な」
「じゃあ期待に沿えられる様に頑張ります」
「そういうことでな」
「ちなみに学業でしたら宮ちゃん凄いですよ」
 雪路は今度は宮子の話をした、その色白の彼女のことを。見れば背は雪路の方が五センチ位高い。宮子は結構背があった。 
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