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夢幻水滸伝

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第六十四話 頼りになる後輩達その一

                第六十四話  頼りになる後輩達
 中里達三人は一年生の校舎に入った、中里はその校舎の中に入ると自然に笑みになってそのうえでこんなことを言った。
「二年の校舎の時も思ったけどな」
「中に入るとやな」
「懐かしい感じがするわ」
「どっちも過ごしてきた場所やしな」
 芥川が中里の言いたいことを噛み砕いてそうして応えた。
「それでやな」
「そや、それでな」
「中に入るとか」
「懐かしい感じがするか」
「どうもな」
「そやね、うち等入学してここに入って」
 綾乃も言ってきた。
「一年間おったしな」
「それでやからな」
「ここに入るとな」
「綾乃ちゃんも懐かしい感じするやろ」
「するで」
 綾乃は中里に笑顔で答えた。
「うちも」
「そやな、ほんまに」
「そしてその懐かしい校舎の中でな」
「新たに仲間にした一年の子等と会おうか」
「そうしような」
 こうしたことを話してだ、彼等は実際に新たに自分達の陣営に加わった人の星の者達こちらの世界では一年生の面々と会うことにした。
 まずはG組に向かったが丁度だった。
 そのG組から赤い派手なブレザーと緑のミニスカート、白いブラウスに青いネクタイを身に着けた派手な感じにまとめた黒髪と気の強そうな目をした一七〇はある長身の少女が出て来て三人を見て言ってきた。
「あれっ、先輩達じゃないですか」
「あっ、雪路ちゃんやね」
「そうですよ」
 その長身の少女雪路は綾乃に笑って答えた。
「石川雪路です」
「そやね」
「こっちの世界じゃこの通りです」
「人間の姿やね」
「あっちじゃバーバリアンですがね」
 種族はとだ、雪路は綾乃にまた笑って話した。
「そして部活は手芸部です」
「何でも手先器用らしいね」
「そういうの好きなんですよ」
 雪路は綾乃に笑って話した。
「昔から」
「そやねんね」
「確かにヤンキーですけどね、私」
 見れば制服の着こなしはラフな感じだ、そしてスカートの下には黒いスパッツが穿かれている。そうしたファッション全てがワイルドな感じだ。
「手芸とか女の子らしいことが好きで」
「それでやね」
「手芸部なんですよ」
 部活はというのだ。
「あと趣味はお料理にお洗濯です」
「女の子やね」
「いやあ、家事と喧嘩は女の華って」
 こうも言った雪路だった。
「いいますし」
「火事やなくてやね」
「はい、家事です」
 こちらだとだ、雪路は綾乃に応えて話した。
「そっちですよね」
「そやね。その考えでやね」
「高校生活も楽しんでます」
「そやねんね」
「それで何か用ですか?」
 雪路は綾乃に今度は自分から尋ねた。
「私に」
「会いに来てん」
 綾乃は雪路ににこりと笑って答えた。 
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