夢幻水滸伝
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第六十三話 現実世界に戻りその十一
「そうしてます、あたしが中一の時から」
「その時からか」
「この学園中学生用の寮もあるので」
「ひょっとして幸田が高校に進学したらか」
「追い掛けて転校しまして」
「追い掛けたんだ」
「だってあたしはずっと吉君と一緒にいて」
そしてというのだ。
「吉君も転入のテスト受けてみるかって言って」
「それでか」
「受けてそしてです」
八条学園中等部のそれをというのだ。
「合格して転入しまして」
「高等部の入試も合格してか」
「今も一緒にいます」
「成程な」
「私達はずっと一緒なんです」
「恋女房か」
「将来そうなります」
麻友は芥川の言葉に笑顔で応えた。
「絶対に」
「そうかそっちも頑張るとええわ」
「そうさせて頂きますね」
「是非な。ただな」
「ただ?」
「いや、幸田は葛飾やろ」
このことは麻友もだが芥川はあえて彼に限定して話した。
「葛飾いうたらお巡りさんとな」
「交番のですね」
「それとフーテンのおっさんやろ」
「はい、その二つが有名ですね」
「フーテンのおっさんはいつも振られてたけどな」
マドンナにだ、このことは他社が対抗してシリーズとして製作していた某トラック野郎も踏襲している。
「あいつは麻友ちゃんっていう恋女房がおるな」
「そこは全く違いますね」
「そやな」
「あたしこれからも吉君と一緒ですから」
「あっちの世界でもやな」
「はい、頑張らせて下さい」
「頼むで、料理人も必要や」
芥川は麻友に笑って話した。
「そやからな」
「これからもですね」
「宜しくな、勿論自分達もや」
芥川は遠藤と亜紀にも話した。
「思う存分な」
「力を出してですね」
「あちらの世界を救うことにですね」
「そや、働いてもらうで」
こう言うのだった。
「人手は幾らあっても足りんしな」
「そうさせてもらいます、自分ばです」
遠藤は礼儀正しくかつ何処か気合の入った口調で芥川に応えた。
「政も出来ますので」
「戦だけやなくやな」
「はい、東国の星の者は全員です」
「そうやな、政もやな」
「出来ます」
戦だけでなくというのだ。
「そちらも。専門外であっても」
「出来ることは出来るな」
「それなりに」
「それやったらどんどんな」
「戦も政もですね」
「頑張ってもらうで。政をしてな」
そうしてとだ、芥川は言うのだった。
「国を豊かにせなな」
「そうせんとな、ほんまどうにもならんわ」
中里も言ってきた。
「国がええ感じやないとな」
「国が豊かであってこそな」
綾乃も頷いて話に加わった。
「軍もよおなってな」
「戦に楽に勝てるわ」
中里は綾乃にも応えて言った。
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