夢幻水滸伝
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第六十三話 現実世界に戻りその十二
「数も装備も揃えられてな」
「そやから戦に勝とうと思うたらな」
「まずは国を豊かにすることや」
「ほんまにそやね」
「そやから僕もな」
日本の戦のことを取り仕切る立場としてだ、中里は話した。
「政はな」
「熱心にやね」
「やるべきやと思うてるわ」
「そやねんね」
「そうしてるんや」
「そして軍勢もちゃんとして」
「そしてな」
そのうえでというのだ。
「戦に勝って」
「そしてやね」
「あっちの世界も救おうな」
「是非にな」
「そういうことやからな」
中里も遠藤に対して言った、政も出来るという彼に。
「そっちでも頑張ってもらうで」
「わかりました」
遠藤は中里にも礼儀正しく応えた。
「それでは」
「是非な」
「政もさせて頂きます」
「ここから大きな戦になる」
中里はこの話もした。
「太平洋の覇権を賭けたな」
「その為には少しでも高い国力も必要やし」
強い軍勢を作る為にとだ、綾乃も言うのだった。
「頼むで、三人も」
「はい、それじゃあですね」
「政にも励み」
「日本がこれから勝ち残る様にします」
麻友、遠藤、亜紀の三人は綾乃達に確かな顔で答えた、普通科の二年の面々の声は実にいいものだった。
綾乃達はその二年の三人と話をした後は芥川の提案で一年の校舎に向かうことになった。だがそのことを決めてから。
中里はふとだ、こんなことを言った。
「一年の校舎に行くのはええが」
「あの四人か」
「あの連中もおるか」
「会うと騒がしいからか」
「そや、そやからな」
どうもという顔で言うのだった。
「あの連中のことはな」
「まあ会ってもな」
それでもとだ、芥川は中里に返した。
「適当に話をしてな」
「終わらせたらええか」
「ええ加減で騒がしいだけやしな」
四人はそうした者達であることをだ、芥川はもう熟知していた。
「別に今からやれやれと思わんでええやろ」
「そういうもんか」
「そや、というかや」
「今回はあの四人が主題やないな」
「他の面子や」
大事なのはというのだ。
「一年の面子は二年と同じ位おるしな」
「その連中にもやな」
「会ってな」
「親睦を深めるか」
「是非な、ただな」
ここでこうも言った芥川だった。
「こうする理由はな」
「こっちの世界とあっちの世界で外見ちゃうしな」
「それぞれの世界でな」
「そのこともあるからな」
「あっちの世界は色々な種族がおるからな」
人間だけではない、七十以上はいるという種族が存在しているのだ。そしてその種族それぞれの外見があるのだ。
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