夢幻水滸伝
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第六十三話 現実世界に戻りその九
「合理的やからな」
「それでやな」
「そうや、これからや」
まさにというのだ。
「二年の方に行くで」
「わかったわ」
「さて、二年の方もな」
芥川はその彼等自体の話もした、三人は既に廊下に出てそこを歩いている。今も綾乃が中央にいて芥川は右に、中里は左にいる。
「増えたな」
「ああ、一気にな」
「こっちは間違いなく星の奴は一番多いわ」
日本はというのだ。
「それがうちの一番の戦力や」
「ほんまにそやな」
「そしてその頼りになる戦力にやな」
「こっちの世界でもよく知り合う為にな」
「会いに行くで」
「わかったわ」
中里も頷いた、そして。
三人は今度は二年の校舎に向かった、その校舎に行くとあちらの世界の時よりも肌が黄色いアジア系のそれだがそれ以外は特に変わっていない麻友が丁度廊下にいた。着ている服は黒で袖に金色のリングの模様が二つありボタンも金色のブレザーとグレーのミニスカートの制服である。ネクタイは青でブラウスも白だ。
麻友は丁度一組の男女と一緒だった、男子の方は大柄で紺色の丈の短い五つボタンの制服にすっきりとしたズボンという制服だ。髪の毛は短く刈っていて目は細いが穏やかな光を放っている。眉は太くきりっとした顔立ちだ。
女子は一六〇程の背で茶色の髪を伸ばし眼鏡をかけておりその奥にある瞳は大きくはっきりとしたもので鳶色だ。面長で唇は小さい。制服は奇麗な白いセーラー服でリボンは青だ。やはりスカートの丈は短い。
その二人がだ、三人にそれぞれ名乗った。
「遠藤涼平です」
「谷崎亜紀です」
「二年G組にいます」
「私は二年D組です」
「そうか、自分等か」
中里は二人の名乗りを受けて頷いた。
「幸田から連絡受けて集まったんか?」
「はい、そうです」
麻友が中里に答えた。
「さっき吉君から携帯で連絡がきました」
「幸田からか」
「はい、それでなんです」
「二人にも連絡してか」
「三人でそろそろと思ってです」
「会いに来てくれたんやな」
「そうです」
その通りだとだ、麻友はまた中里に答えた。
「丁度いいタイミングでお会い出来ましたね」
「寅さんみたいにな」
中里は麻友が東京の下町出身であることからこう言った。
「もっともあれは待ち伏せてるけれどな」
「いつもそうですね」
「またお会いしやしたねってな」
寅さんの定番の台詞の一つである。
「そうしてるけどな」
「今回はですね」
「ああ、ちゃうな」
「はい、あたし達の方かです」
「僕等に会いに行こうとしてたところか」
「はい」
その通りだというのだ。
「そうでした」
「成程な」
「それで、ですが」
麻友は中里達にさらに話した。
「あたし達にですね」
「ああ、会いに来てな」
それでというのだ。
「挨拶しに来たんやけど」
「こちらの世界でも親睦を深める為に」
「そや、しかし麻友ちゃんはわかるけれど」
「自分達はですね」
遠藤が中里に言ってきた。
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