| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第百六十四話 二学期その十二

「だからね」
「もう更生はないですか」
「完全に腐った肉はどうしようもないよね」 
 後輩の子にこうも話した。
「そういうことだよ」
「どうしようもない人は切り捨てる」
「それで彼は退部になったんだよ」
「それで停学ですね」
「二年の間でも皆嫌ってるから」
 それで話し掛けもしない、見たら睨みつける人も多い位嫌われている。
「君も会って彼から話し掛けてきてもね」
「相手にしたら駄目ですか」
「絶対にね、多分大人になってもそのままで」
「ヤクザ屋さんみたいになりますか」
「そうなるよ、絶対に碌な人間にならないから」
 確信している、本当に。
「だからね」
「相手をしたら駄目ですか」
「他人は利用する対象としか思ってないし図々しいしね」
「図々しいんですか」
「家の前を通っただけで牛乳飲ませろとか言って家に入ってきたりもしたらしいし」
「悪い特性がまた一つ増えましたね」
「部活の時間聞いた相手にその日のうちに陥れる様なことしたりね」
 こうした裏切りもする奴だ。
「そんな人間だから」
「よくそこまで酷い人いますね」
「いるよ、それでそんな人間だからね」
「皆嫌ってるんですね」
「多分ボクシング部の人達も喜んでるよ」
「嫌な人間がいなくなったからですか」
「そう、部の中を引っ掻き回しそうだしね」
 このこともあってだ。
「清々したと思っている筈だよ」
「そうですか、本当にどうしようもない人もいるんですね」
「うん、もうどんな宗教でも哲学でも救えない人がね」
 こうとかしか言えない人達がだ。
「いるんだよ」
「そうなんですね」
「このことよかったら覚えておいて」
 後輩の子にこうも言った。
「最低の人間ってのはいるんだ」
「もう絶対に更生しない様な人が」
「そんな人とはもう関わらない」
「そうすることが一番ですね」
「そうなんだ」
「残念な話ですね」
 後輩の子は難しい顔でこうも言ってきた。
「それって」
「世の中にそこまで酷い人がいることが」
「はい、救われない人もいることが」
「まあ餓鬼と思えばいいかな」
「餓鬼ですか」
「そう、人間の姿をしていてもね」 
 その性根がだ。
「餓鬼道に堕ちたね」
「そんな人だから」
「もうね」
「救われなくて」
「餓鬼はもうね」
 それこそだ。
「生まれ変わるまで餓鬼じゃない」
「どうしようもないんですね」
「そう、どうせ死んだら餓鬼になるし」
 畜生道どころかだ。
「それで生まれ変わってね」
「どうなるかですか」
「今はどうしようもないよ、だから君もね」
「若しあの人が話し掛けても」
「絶対に相手にしないでね」 
 このことを強調して忠告した。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧