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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百六十三話 秋のはじまりその九

「それもまた、そして反面教師にもなります」
「人間嫌いな人の様にはなりたくないからですね」
「そこからご自身を律します」
 そう思うのが自然だというのだ。
「ですから」
「いいのですね」
「そうです、まあ世の中自分が嫌いな相手と同じレベルまで落ちる人もいますが」
「何か皮肉ですね」
「それは残念なことですが」
 それでもというのだ。
「そうした人を見ることもです」
「人生の勉強ですか」
「そうなのです、とにかく人とお会いすることです」
 畑中さんはお茶を飲みつつ僕に話してくれた。
「義和様も」
「そうなんですね、この八条荘で多くの人に出会っていますが」
「はい、そしてそれもです」
「僕にとっていいことですね」
「確かに義和様はこの八条荘で多くの方にお会いしています」
 このことは紛れもない事実であるとだ、畑中さんは話してくれた。
「義和様にとって非常に大きな糧になります」
「そうですか、やっぱり」
「そしてよりです」
「沢山のいい人悪い人と会って」
「ご自身を高められて下さい」
 素晴らしい人と下らない人を見分けられれる様になって素晴らしい人を目指し下らない人を見習わない様にしてだ。
「また人は殆どの場合それぞれいい部分と悪い部分もありますし」
「悪い部分だけを見てその人を判断しない」
「世の中悪い部分が目立ちつつもそれ以上にいい部分をお持ちの人もいます」
「いますね、だらしなくても人として間違ったことはしない人も」
 中三の時のクラスメイトでいた、今は農業科でやる時はやる人間として意外と高い評価を受けているらしい。
「親父もそうですしね、そういえば」
「止様もですね」
「本当に破天荒でいい加減ですが」 
 女好きで酒好きでだ、親父程悪い部分がはっきりわかる人も珍しいんじゃないかとここで思った位だ。
「あれで人の間違ったものは持ってないですから」
「だからですね」
「誤解されやすいですが」
 それでもだ。
「やっぱり黄金の精神があるんですね」
「それではです」
「欠点だらけの人間でも」
 それでもだ。
「素晴らしい人になりますね」
「はい、まあ本当に下らない人です」
「そうした人もいますね」
「そうした方にはなられないで下さい」
 絶対にというお言葉だった。
「くれぐれも」
「いい部分が殆どない人ですね」
「ですから先程殆どの人はと申し上げました」
「所謂人間の屑ですね」
「下らない人物であり」
「もう世の中に害を為すしかない人ですね」
 残念ながらこうした人間もっと言えば心が既に人間ですらなくなっている輩もいるから世の中は怖い、中学時代に一人学年でいて今は他の学校で有名な嫌われ者になっているらしい。底意地が悪く貪欲で弱い者いじめが好きで平気で自分より強い相手に媚びて自分の嫌いな人間のことを色々吹き込む最低な奴だった、僕も少し話しただけでその次の日にそいつがいじめっ子に自分が嫌いな相手のことを吹き込んでいるのを見て嫌いになった。そしてそいつが嫌いな相手といじめっ子にそいつのことを同時に話して余計な騒動を事前に防いだことがあった。
「いますね」
「そうした人はです」
「くれぐれもですね」
「手本とされずその本質を理解され」
「反面教師とすべきですね」
「はい」
 絶対にという言葉だった。 
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