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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百六十三話 秋のはじまりその十

「そうされて下さい」
「これからの人生において」
「是非共」
「そうします、それじゃあ今日から」
「二学期ですね」
「今から朝御飯食べて行きます」
 本当にそうした時間になろうとしている、そろそろ早百合さんがピアノのところに来て演奏をはじめる時間だ。
「畑中さんもですね」
「はい、三食を食べないとです」
「いけないですよね」
「規則正しい食事を摂ることもまた」
「健康の為ですね」
「そうです」 
 まさにという返事だった。
「ですから」
「畑中さんは三食しっかり食べてるんですね」
「それを乱したことはありません」
 朝昼晩の三度の食事をというのだ。
「特に朝食はです」
「食べないと駄目ですね」
「意識して食べています」
「よく言われますね、朝は絶対に食べろと」
「はい、一日の活力の源です」
 だからこそだというのだ。
「食べないといけません」
「そうですよね、やっぱり」
「朝を食べてです」 
 そしてというのだ。
「それからです」
「一日をはじめるんですね」
「これまでもはじめていますが」
 ここで笑ってこうも話した畑中さんだった。
「私は」
「鍛錬にお風呂に」
「はい、実はこの後の朝食がとても美味しいのです」
 鍛錬で身体を動かしてお風呂に入った後のそれがというのだ。104
「そのこともあってです」
「毎朝ですか」
「鍛錬をしています」
「そうなんですね」
「そして一日をはじめています」
「健康的ですね」
 僕はしみじみと思った。
「本当に」
「そのせいかこの歳になりましても」
 それでもというのだ。
「この通りです」
「健康ですね」
「そのことは自負しています」
 畑中さんは僕に嬉しそうに話してくれた。
「私も」
「畑中さんもですか」
「はい、幸いに大きな病気をしたこともありません」
「大きな病気ですか」
「癌等も」
「癌はなりますからね」
 僕は癌については苦い顔で応えた。
「どうしても」
「はい、発見が遅ければ」
「それで亡くなってしまいますしね」
「若い頃は結核を恐れていました」
 この病気をというのだ。
「罹ってしまわないか」
「昔は助からない病気でしたね」
「梅毒とこの病は」
「そうでしたね」
 梅毒もだ、ペニシリンが出来るまでこの二つの病気は罹ってしまうともう助かることはない病気だった。
「それで畑中さんのお若い頃は」
「戦争中なぞは」
 戦争にも行かれたことがある畑中さんだからだ。 
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