八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百六十三話 秋のはじまりその八
「止様をご覧になられて」
「そうしてですね」
「黄金の精神を持ってです」
そのうえでと言うのだった。
「生きられて下さい」
「これからの人生を」
「尊敬出来る方ですから」
「だからですね」
「そして人は親が尊敬出来れば幸せですが」
またこの話をしてくれた。
「尊敬出来る人が多ければ多い程です」
「幸せですか」
「それだけ素晴らしい人に出会っていることなので」
それでというのだ。
「よりお話すればその尊敬出来る人の格が高ければです」
「高い程いいですか」
「下らない人を尊敬してもです」
ここで僕はまた自分を尊敬しろと自分で言う恥知らずな人を思い出した、本当にこんな人の何が尊敬出来るのかと思う。
「下らない人になるだけです」
「下らない人を見習って」
「そうです」
まさにという返事だった。
「そうなってしまいますので」
「出来るだけですか」
「素晴らしい人とお会い出来れば」
「それだけで幸せですか」
「もっとも逆も言えます」
「下らない人と会うこともですか」
「あくまで下らない人とわかればですが」
このことを認識出来ればというのだ。
「それもまたです」
「いいんですか、つまりは」
「反面教師になるからです」
「そうですか、やっぱり」
「はい、下らない人もです」
「会えればですね」
「これもまた素晴らしいです」
そうなるというのだ。
「非常に」
「そちらもですね」
「そうです、こう申し上げますと多くの人と出会うことになるでしょうか」
「いい人とも素晴らしい人とも」
「それだけ自分の糧になりますので」
だからだというのだ。
「人はです」
「多くの人と出会う、そしてそれがですね」
「幸せなことです」
その人の糧になるというのだ。
「その前提も必要ですが」
「素晴らしいことと下らないことの両方を認識する」
「それが必要ですが」
それでもというのだ。
「やはりです」
「人と会うことですね」
「そうです、人と会っていけば」
そうしてその人達と話をして共にいて交流をしていけばというのだ。
「それがです」
「いい人と悪い人を知って」
「そうしたこともわかります」
「素晴らしい人とそうでない人の」
「そうなのです」
「多くの人を知ることですか」
「これからの人生においても」
このことが大事だとだ、畑中さんは僕に話してくれた。
「例えそれがとてつもなく嫌な人で義和様がお会いしただけで不愉快になられても」
「それもまた人生の勉強ですか」
「そうなのです、そして人生の糧になります」
所謂嫌な奴と会うこともというのだ。
「世の中こうした人物もいてです」
「そこから逆にですね」
「素晴らしい人とお会い出来れば」
「こうした人もいるとわかるからですね」
「いいのです」
まさにというのだ。
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