夢幻水滸伝
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第五十九話 仕込みの奇襲その十五
「そうじゃないか?」
「まあそうですけど」
「うち等実は四人共彼氏います」
「けれど実はキスも」
「何かまだ早いって思って」
「あたしもそっちの経験ないけれどね」
かく言う玲子もだった、納豆御飯の葱の味も楽しみつつ言う。
「ただあんた達そうしたところとか妙に真面目だね」
「普段はええ加減でもですね」
「私等真面目なところは真面目ですか」
「恋愛とか法律とかのことを」
「えらい真面目ですか」
「そう思うよ、軍律も守らせるし」
玲子は四人のこのことも話した。
「真面目だね」
「まあ人間遊んでも筋は大事です」
「筋を守らんと駄目やと思いますし」
「幾ら普段遊んでだらだらしていても」
「人の道は守らなあかんですから」
こう考えているからだとだ、四人も話す。
「そこはしっかりしてるつもりです」
「人の道は」
「それは外れたらあきませんよね」
「人間として」
「その通りだよ、あんた達もわかってるね」
笑ってだ、玲子はその四人に応えた。
「そこはいいよ、あたしも傾奇者だけれどね」
「人の道は外れてませんね、先輩も」
「傾奇者と外道はちゃうって言うて」
「傾いても人の道は踏み外してませんね」
「そこは」
「そうだよ、外道になったら人間は終わりなんだよ」
玲子もそこは言う、梅干しも食べてそうして一旦口の中をすっきりとさせてそのうえで再び納豆御飯を食べて応えた。
「その時点でな」
「そうですよね」
「ほんまそこは気をつけませんと」
「さもないとです」
「人として終わりになります」
「そこはだよ」
絶対にと言う玲子だった。
「守らないとな」
「幾らええ加減でも傾いてても」
「人の筋はですね」
「ちゃんと守らなあかん」
「そういうことですね」
「そうさ、適当に生きてもいいけれどね」
玲子の考えではだ、尚彼女と四人は生真面目な関西の宰相である太宰にはとかく注意されていることだ。
「やっぱり人の道は守らないといけないものだよ」
「ほんまにそうですね」
「うち等遊んでいじめはしませんし」
「万引きとかも絶対にしません」
「麻薬とかシンナーも」
「そうしなよ、そうしたことは絶対に自分に返るよ」
起きた時にするそうしたこともというのだ。
「だからしないことだよ」
「ほんまにそうですね」
「いじめなんかする奴は最低ですし」
「あと覚醒剤なんかしたら」
「もう何もかんも終わりです」
「あれは怖いよ、こっちの世界でも麻薬あるけれどね」
玲子は苦い顔になって四人に麻薬のことも話した。
「あんなのしたら破滅だよ」
「ですよね、こっちの世界でも麻薬なんてやったら」
「もうあっという間に全身ボロボロになります」
「心もそうなりますし」
「けったいな幻覚見るっていうし」
「みたいだね、あたし起きてる世界で覚醒剤中毒の人見たことあるけれどね」
玲子は珍しく苦い顔になって述べた。
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