夢幻水滸伝

「それからだよ」
「はい、そうしてですね」
「水戸城を攻めて落として」
「それから東北ですね」
「いよいよそっちに向かいますね」
「そうするよ、まずは食うことだよ」
　戦において大事なことはというのだ。
「腹が減ってはっていうだろ」
「はい、というか何でも食べなはじまりません」
　雅美はこのことを真面目に返した、勿論この四人も納豆も他のおかずも御飯もかなりの量を食べている。
「そこからです」
「勉強もスポーツもそっからですし」
　瑠璃子は起きている時のことを話した。
「そうですから」
「今も食べなあきません」
　由香もこう言って食べている、それも勢いよく。
「納豆御飯どんどん食べていきましょ」
「何か食べん将兵も多いですけど」
　紗枝も食べている、やはりかなりの量だ。
「うち等は平気です」
「納豆って癖が強いからね」
　匂いがするものも好きな玲子は笑って言った。
「匂いも凄いし糸だって引くしね」
「うちのお父ちゃん腐ってるって言ってました」
「あっ、それ兵隊でも言うてる人おるで」
「部将でもおるわ」
「結構多いわ」
「だからどうしても好き嫌いはあるさ」
　そこはというのだ。
「癖が強いとね、しかしね」
「先輩はその癖が強いのがええんですね」
「匂いがきついのも」
「そやから納豆も好きですか」
「そうなんですね」
「そうだよ、納豆も好きだしチーズとかも匂いがきついのが好きなんだよ」
　そうしたものがというのだ。
「ウォッシュチーズってあるだろ」
「あっ、あれ確かに匂いきついです」
「それも相当に」
「あれも先輩の好みですか」
「そうなんですか」
「ああ、あれも好きだよ」
　玲子は四人に笑いながら話した。
「普通のチーズも好きだけれどね」
「ううん、じゃあくさやとかも好きですか？」
「あれもかなり匂うんですよね」
「そういうのも好きですか」
「そうなんですか？」
「くさやは食ったことないんだよ、ただホヤはな」
　こちらはというと。
「好きだよ」
「ああ、これから行くかも知れない東北名物の」
「あの海の幸ですね」
「あれは好きなんですか」
「そうなんですね」
「そうだよ、あれで一杯とかね」
　笑って四人にこうも話した。
「いいねえ」
「ほやは精がつきますし」
　瑠璃子はそのほやについて笑って話した。
「ええ食べものですね」
「ほな彼氏に食べてもらったら」
　どうかとだ、雅美も納豆御飯を食べつつ笑顔になる。
「もう夜は期待大ですね」
「そういえばほやって保夜って書きますし」
　由香は漢字で書いた場合のことを話した。
「そのままですわ」
「ほな彼氏に食べてもらって」
　最後に紗枝が考える顔で述べた。
「夜はどんどん」
「おいおい、あんた達彼氏いてもそこまでいってないんじゃないか？」
　玲子はほやについて言う四人に笑って返した。