| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第百六十話 午後に何をするのかその十

「北海道の獣害も減っていたね」
「結構農家の人が困ってるらしいのよ」
「それは本州と一緒だね」
 勿論四国と九州もだ。
「獣害があるのは」
「残念なことにね、栗鼠もいるしね」
「栗鼠も結構なんだよね」
「ええ、種とかメロンとか食べるのよ」
「メロンもなんだ」
「そうなの、贅沢でしょ」
「それはね」
 僕も利いていてそれはと思った、種ならまだ笑えるけれどメロンまでとなると流石に笑えることじゃない。
「大変だね」
「だから農家の人も必死よ」
 獣害対策はというのだ。
「何かとね」
「そういえば北海道の生きものって全体的に大きいわね」
 詩織さんは香織さんにこのことを聞いた。
「羆も鹿もね」
「そう、狐もね」
 キタキツネもというのだ。
「大きいのよ」
「そうよね」
「キタキツネはね」
 この狐の話もだ、香織さんはした。
「可愛いけれどね」
「実は大きいのね」
「そうなの」
「それは意外ね」
「日本の狐って小さいけれど」
 本土の狐はそうだ、ニホンオオカミにしても森林地帯にいたせいか体格は普通の種類の狼より小さかったらしい。
「本土の狐よりはね」
「キタキツネは大きいの」
「あとね」
「あと?」
「エゾタヌキも化かすお話はね」
「ないの」
「ちょっと聞かないわ」
 本土ではやたらあるお話だけれどだ。
「アイヌの人達のお話にもね」
「そうなのね」
「というか何か本州は狐のお話多いわね」
「四国は狸でね」
 詩織さんはこちらのお話もした。
「まあ日本全体でどっちも多いわね」
「童話の定番よね」
「けれどアイヌの伝承では」
「化けるお話自体が少ないかも」
 そもそもというのだ。
「どうもね」
「そうなのね」
「動物のお話は多いけれど」 
 この辺り自然と一緒に暮らしていたからだろうか、アイヌ民族は狩猟民族だったというのは僕も知っている。
「けれどね」
「それでもなの」
「そう、化けるとか化かすとかね」
「北海道では少ないの」
「本土はとにかく多いけれど」
 狐や狸が化けたり化かしたりする話はだ。
「北海道はそんなになのね」
「ないのよ」
「アイヌの人達の伝承ではそうなのね」
「民族が違うからだと思うけれど」
 同じ日本にいてもだ、僕達は大和民族といって弥生系がベースらしい。とはいっても縄文系の血も入っていてアイヌの人達は元々はアラスカから来たという話や縄文系だという話も効いたことがある。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧