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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百六十話 午後に何をするのかその十一

「これが違うから」
「それ面白いわね」
「だからアイヌの伝承調べてる学者さんもいるの」
「そうなの」
「面白いってことで」
「成程ね、まあ日本で狐や狸は」
 詩織さんは童話の彼等の話をした。
「それこそね」
「化けるわよね」
「そして化かすけれど」
 ここからさらに言う詩織さんだった。
「結局悪さがばれてね」
「怒られるわよね」
「そうしたお話が多いけれど」
「それどうもね」
「本土だけのことなの」
「アイヌにはないのよ」
 そうしたお話はというのだ。
「あるかも知れないけれどね」
「動物が人間になったり妖力を使ったりとかは」
「ないの」
 どうにもというのだ。
「あとコロボックルがいるわ」
「小人ね」
「このお話はあるわ」
「コロボックルは僕も聞いてるよ」
 僕は香織さんが出したこの小人の話に入った。
「ユーカラの木の下とかにいるんだよね」
「そう言われてるの」
「もう出て来なくなったっていうね」
「人間が悪いことをしてね」
 それでコロボックルの人達を怒らせたというのだ。
「そうした伝承があるの、それでもね」
「まだ見たってお話はあるんだね」
「そうなの」
「それ面白いよね」
「ええ、本土に小人のお話はないわよね」
「古事記で小さな神様は出て来るけれどね」
 少彦名大神だ、蛾の羽根で作った服を着ていて海から来たという。この神様も渡来神だったと言われている。
「それでもね」
「小人のお話は少ないわよね」
「欧州には多いけれどね」
 それでもだ。
「日本には少ない、いや殆どないかな」
「そうよね」
「結構色々な妖怪がいるけれど」 
 狐や狸は変化だ、妖怪とはまた違う。妖怪になると河童や天狗や鬼とかだ。あとは水木しげる先生の作品に出て来る多くの妖怪達だ。
「小人はね」
「いないわよね」
「どうもね」
「そこれが本土ね」
「そういえば小人っていないわね」
 詩織さんもこう言ってきた。
「日本本土には」
「うちの学園だと見たって人いるけれど」
「あそこは何でもありだから」
 妖怪のことでもだ。
「日本どころか中国や西洋の妖怪の話もあるから」
「そうなんだよね」
「キジムナーの話もあるし」
 沖縄のこの妖怪は小さいけれどどっちかというと小人じゃないと思う、人間の子供の外見をしているとか毛玉に目鼻やお口があって手足が生えているともいう。
「沖縄の妖怪もいて」
「北海道のお話もね」
「コロボックルのお話もあったね、確か」
「学園の怪談話でね」
「中等部だったね」
 コロボックルの目撃談があるのはだ。
「中庭に出るんだ」
「そうなの」
「あそこはユーカラの木があるから」
 コロボックル達と縁があるというこの木がだ。 
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