八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百六十話 午後に何をするのかその七
「そうした時代のゲームをするとなると」
「北海道はなんだ」
「ないと思ってしてるわ。むしろないっていうのが」
「意識としてあるんだ」
「これが鉄道とか物件を買うゲームならね」
こうしたシュミレーションもある、遊んでいるとこのゲームもかなり楽しい。だからシリーズ化もしていた。
「いいけれど」
「それでもだね」
「戦国時代のゲームは」
「北海道の大名が出ていても」
「主人公ではしないの」
「そうしているんだ」
「だって遊んでみても」
その蠣崎家でだ。
「物凄く最果てでしょ」
「日本の北の北だからね」
「そこから南下をしていくにしても」
「東北から関東で」
「当時の日本じゃ華やかじゃないから」
全く、という口調での言葉だった。
「鉄道ゲームと違ってね」
「鉄道ゲームの北海道は華やかだからね」
「札幌や函館にいい物件が一杯あって」
勿論線路もある。
「あちこちに独自の物件があってね」
「北海道全体でかなり豊だよね」
「だから遊んでいても楽しいけれど」
北海道で物件を買っていってもというのだ、僕としては札幌や函館や稚内でどんどん買っていくのが楽しい。
「それがね」
「戦国時代とだろ」
「やっぱり都に近くないかせめて関東ね」
「小田原とか」
「あそこ位までいかないと」
どうしてもというのだ。
「寂しいから」
「遊ばないんだ」
「信長さんでしてるわ、それで蝦夷はね」
つまり北海道はだ。
「最後の最後にね」
「手に入れてだね」
「終わってるわ」
多くの人がそうしているのかと思った、本州や四国、九州まで統一して本当に最後の最後に蝦夷を手に入れてだ。
「大抵ね」
「戦国時代って香織さんにとってそうした時代なんだ」
「信長さんの時代でね」
「蠣崎家の時代じゃないんだ」
「というか北海道でも。江戸時代は松前家っていったけれど」
「評判悪いとか?」
「アイヌの人達とのことがあるから」
何でも西郷さんが奄美の人達の窮状を見て噂に聞く松前藩のアイヌいじめより酷いと怒ったらしい、九州の端にまで届く評判の悪さということか。
「あまりね」
「そうなんだ」
「それに松前藩ってね」
この藩の話もした、さらに。
「私達にはあまりというか殆ど関係ないし」
「今の北海道の人達には」
「だって殆どの人が明治維新以降に移住した人だから」
「ああ、そうだったね」
「本土からね」
十勝等でもそうだ、十勝の開拓はとにかく大変で蝗や熊に苦しめられて死ぬ様な思いをしたと読んだことがある。
「札幌だってそうでしょ」
「だから松前藩とはなんだ」
「殆ど関係ないから、むしろ松前藩の後でね」
「明治政府の政策で移住した人達だね」
「その子孫よ」
「香織さんもだね」
「そうよ、ご先祖様が何時移住したか知らないけれど」
それでもというのだ。
「私もそうだから」
「維新から移住した人達なんだ」
「松前藩とは関係ないのよ」
「そのこともあってなんだ」
「あの家はどうでもいいの」
北海道の人でもというのだ。
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