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夢幻水滸伝

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第五十七話 仕掛ける場所その四

「そうなるわ、ほな僕等はな」
「我々のすべきことをしていく」
「そうしよな」
「その様に」
 美鈴も応えた、そしてだった。
 中里は軍勢を一旦分散させて相模の要地を占拠していった、その時に伏兵達は常に事前に兵を向けてだった。
 倒し退けていった、横浜にいる武者小路はそのことを聞いて言った。
「当然ね」
「今の状況は」
「ええ、敵は数も装備もあたい達より上でね」
 傍らにいる有島に応えて言うのだった。
「星の数もよ」
「上では」
「この展開も当然よ」
「そうでありますが」
「ええ、今はその当然の展開にね」
「乗っていくしかありませんね」
「そうよ、苦いけれどね」
 感情的にというのだ。
「そうするしかないわ、そしてね」
「時が来れば」
「その時にはね」
「一気に逆転ですね」
「そうよ、棟梁の賭けに乗るわよ」
「まさに賭けですよ」
 有島は武者小路に笑ってこう話した。
「これからあっし等がすることは」
「そうよね、敵の棟梁を東国の星全員で襲ってね」
「倒すか捕虜にする」
「そうするなんてね、けれどね」
 ここで武者小路は不敵に笑ってこうも言った。
「面白い賭けよね」
「成功すれば一気に」
「ええ、あたい達は日本を統一出来るわ」
「今は押しまくられていても」
「それが出来るわ、だったらね」
「ここは喜んで、ですね」
 有島も言う。
「乗りますね、武者小路さんも」
「賭けに乗りましょう、棟梁の賭けはいつも当たればね」
「大きいです」
「そうよ、じゃあね」
「ええ、ここは負けていきましょう」
「世の中十五回続けて負けた人もいるし」
「それは確か」
「魏延よ」
 三国志に出て来るこの武将だというのだ、劉備を慕い彼には絶対の忠誠を誓っていたが孔明とは折り合いが悪かった。
「あの武将がそうだったわね」
「南蛮での戦いでしたね」
「ええ、結局負けに負けてもね」
「最後に勝っていればよし」
「そうよ、三十年戦争でもハプスブルク家はフランス参戦まで勝っていたわ」
 戦争は長引きグスタフ=アドルフ王は出たがその力の差で新教の諸侯や諸国を圧倒していたのである。
「けれど最後にフランスが参戦してね」
「それは教科書にありますか」
「そうだけれどあんたは」
「世界史はまだ習ってなくて」
 有島は起きた世界のことを話した。
「それで」
「このお話は知らないのね」
「はい、三十年戦争ですか」
「欧州から来てる子が詳しいけれど」
「そうですか」
「特にドイツの子がね」
 そのドイツで行われた戦争だからだ、三十年に渡る惨たらしい戦乱でドイツの国土は荒廃し多くの街が焼き払われ犠牲者も多かった。
「詳しいわ、けれどね」
「けれどといいますと」
「ドイツはあの戦争で二度の世界大戦に匹敵する傷を受けたらしいから」
 それでというのだ。 
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