八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百五十八話 夏の終わりその一
第百五十八話 夏の終わり
八月三十一日、遂にこの日が来た。長い夏休みもそして夏も今日で終わる。学生にとっては印象的な一日だ。
その朝に御飯を食べてだった、僕はスマホで明日からの始業式のことをチェックしてそうしてからだった。
自分の部屋に戻ろうとした、だがここで香織さんに呼び止められた。
「何処に行くの?」
「何処って別に」
こう香織さんに顔を向けて答えた。
「決まってないんだ」
「そうなの」
「何もすることがないんだ、今日は」
「部活もお休みで」
「うん、だからね」
「何もすることなくて」
「部屋で寝ようかなとかね」
何となくそうしようと思った。
「それでなんだ」
「お部屋に入ったの」
「そうだったんだ」
「本当にこれといってなのね」
「何もすることがなくて」
「じゃあ外出は」
「昨日も出たしね」
友奈さん達と一緒にだ。
「この夏外出ばかりで」
「だからなの」
「今日はね、明日から学校だし」
始業式のこともあってだ。
「だからね」
「これといってなの」
「するつもりがないんだ」
「一日ゆっくり休んで」
「それで寝たりお風呂に入って」
夏休みの宿題も全部終わってるし予習や復習も今日はするつもりがなかった。本当にゆっくりとしていたかった。
「過ごそうかなってね」
「そう思ってるの」
「うん、そうしようかな」
「じゃあそれでいいんじゃない?」
香織さんは僕に微笑んでこう言った。
「今日は」
「うん、じゃあ寝ようかな今から」
「ただ。寝る前にね」
「その前に?」
「汗かいたらよく寝られるわよ」
「ああ、運動して」
「そうしたらね」
何もしないでベッドに入るよりはというのだ。
「よく寝られるわよ」
「そうだね、じゃあ」
「これからトレーニングルーム行く?」
八条荘の中にある設備の一つだ、ここで住人や働いている人達が汗をかいて健康管理に役立てているのだ。
「そうする?」
「あそこで汗かいて」
「それでシャワーを浴びてね」
「すっきりしてだね」
「寝たら?」
「それがいいかな」
僕は香織さんのその誘いに気持ちが動いてこう応えた。
「何もしないよりはね」
「実際そっちの方がいいでしょ」
「うん」
その通りだとだ、僕は香織さんに答えた。
「その通りだね」
「私もルームランナー使いたいし」
「あそこで走るんだ」
「あれもかなり汗かくからね」
その上で走ってだ、これでかなりダイエットをしたという話も聞いている。
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