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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百五十七話 お袋のことその十三

「あれもそうですね」
「はい、そうなりますね」
「侍、武士だからですか」
「卑怯な真似をしないのです」
「いざ勝負となればですね」
「正々堂々と戦い」
 そしてというのだ。
「勝つのをよしとするのです」
「それが武士であり騎士ですね」
「そうかと。日本人にも武士の心が残っています」
 イギリス人に騎士の心が残っている様にというのだ。
「素晴らしいことに」
「それはいいことですね」
「そう思います、ではコリオレイナスをお借りして」
「読まれますか」
「人間を学ぶ為に」
「学問は一生ですね」
「その通りです、生まれてから死ぬまでです」 
 まさに一生というのだ。
「学んでこそです」
「学問ですか」
「そして人生です」
 人生は学ぶものである学ぶことは人生の全てにおいて行われるものだというのだ、それはまさに表裏一体だった。
「ですから今もです」
「学ばれて」
「精進しています、ただ」
「ただ?」
「苦しい、辛いとはです」
「思われいませんか」
「これは武道も同じです」
 直新陰流のそれもというのだ。
「楽しんでいます」
「毎朝のあの鍛錬もですか」
「非常に心地よいです」
「汗をかいてですね」
「その後のお風呂もよく」
 汗を落とし身体を清める為のそれもというのだ。
「最高の楽しさの一つです」
「畑中さんにとっては」
「左様です」
 こう僕にお話してくれた。
「いつもです」
「そうしてですか」
「汗をかいています」
「そうなんですね」
「はい、そしてシェークスピアもです」
 今の学問のこともというのだ。
「楽しんでいます」
「シェークスピアって面白いんですよね」
「左様ですね」
「文学っていうと堅苦しいイメージがありますけれど」
「イメージでしかありません」
「実際は違いますしね」
「それはシェークスピアも同じで」
 例えば武者小路実篤は恋愛がテーマの作品が多いし三島由紀夫も同じだ、夏目漱石にしても坊ちゃんは青春ものだし三四郎とかは恋愛ものと言えるだろう。織田作之助は忍者ものを書いているし芥川や太宰もファンタジーと言っていいものが多い。森鴎外は歴史ものも多い。 
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