八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百五十六話 教会の中その三
「うちの学校の娘かしら」
「そうかも知れないでござるが」
「この人大学生だから」
僕はその人を知っていたので二人に話した。
「この教会の長女さんだから」
「そうでござるか」
「私達の先輩なの」
「そう、三人姉妹の長女さんなんだ」
二人にこのことも話した。
「中村千里さんっていうんだ」
「中村さんでござるか」
「そう、大学生でね」
僕は大学生とわかったけれど二人は違っていたのでこう話した、雰囲気でわかると思ったけれど人によるということか。
「今はおぢばにおられるけれど」
「夏休みだったからでござるか」
「今はここにおられるの」
「実家に帰られてね。お久し振りです」
僕はその千里さんに笑顔で挨拶をした。
「今会長さんは」
「今はちょっと信者さんのお家にお伺いしてるの」
千里さんはアニメ声と本当に言われる可愛い声で答えてくれた、奇麗な口元から八重歯が見えるのもいいと思う。
「それでね」
「今は、ですか」
「妹二人はお家にいるけれど」
「そうなんですね」
「参拝に来たの?」
「はい、それでお伺いしました」
千里さんに正直に答えた。96
「参拝させてもらっていいですか?」
「ええ、どうぞ」
僕ににこりと笑って答えてくれた。
「それじゃあ教会の中にね」
「はい、お邪魔させてもらいます」
「それでそこの可愛い娘お二人は」
千里さんは友奈さんとマルヤムさんにお顔を向けて言ってきた。
「お友達?」
「実は今下宿先の管理人をさせてもらってまして」
千里さんにこのことを話した。
「それで」
「下宿の人なのね」
「そうなんです」
「わかったわ、じゃあその娘達もなのね」
「参拝していいですよね」
「誰も大歓迎よ」
千里さんは僕ににこりと笑って答えたくれた。
「おみちはね」
「そうでしたね」
「来る者は拒まずだから」
「ムスリムでもでござるか」
マルヤムさんは千里さんに自分のことを言ってきた。
「いいでござるか」
「ええ、いいわよ」
千里さんはマルヤムさんにもにこりと笑って答えた。
「貴女さえよければ」
「教会に入ってもでござるな」
「よかったら本も読んで」
天理教の本をというのだ。
「経典や教祖伝、漫画も」
「漫画もであるでござるか」
「そうなの、教祖中山みき様の伝記漫画よ」
「ムハンマドが漫画になった様でござるな」
「イスラムだとそうなるわね」
教祖の漫画だからだ、ただイスラムは偶像崇拝にはかなり厳しいのでムハンマドが漫画になることはないみたいだ。
「それで天理教、おみちではね」
「教祖様がでござるか」
「その生い立ちが漫画になってるの」
「それで漫画もあるでござるな」
「漫画を描いてる人はカラテ地獄変の人だから」
あの漫画を描いていた人が絵を担当している、本当のことだ。
「しっかりしたタッチなの」
「空手でござるか」
「そうなの」
「ううむ、拙者偶像崇拝は駄目でござるが」
イスラムの絶対に引けないことの一つらしい、それで絵画という芸術のジャンルが発達しなかった程だ。人の肖像画を描くことが偶像崇拝ではとなってだ。
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