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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百五十六話 教会の中その二

「信者さん達が住める場所もあるから」
「お家自体は」
「質素なんだ」
「そうなのね」
「こうした感じでね」
「広い敷地でもなの」
「会長さん達の場所はそうなんだ」
 他の教会もそうだから凄い、何でも奥華は特に質素な方だと聞いている。二百六十以上の教会があるけれど。
「それでこの教会もなんだ」
「寄付も多いわよね」
「八条家がしてるからね」 
 世界屈指の企業グループの経営家がだ。
「だからね」
「凄い寄付してるのね」
「それでもなんだ」
「寄付の分はなの」
「大教会から天理教本部にお供えになってるから」
 それでだ。
「この教会の普請には使っても」
「ご自身のお家にはなの」
「こうなんだ」
「そうなの」
「それが天理教だよ、まあ神主さんもお坊さんもね」
 そして神父さんも牧師さんもだ。
「大体こうだよ」
「質素ね」
「学園の中のお寺や神社もだしね」
 言うまでもなく天理教の教会もキリスト教の教会もだ。
「質素だからね、ご自身のお家や暮らしは」
「いいことでござるな、イスラムでは聖職者はいないでござるが」
「法学者がいてね」
「神にお仕えしていて贅沢では」
「お話にならないね」
「全くでござる」
「まあお酒はふんだんにあるけれどね」 
 この八条分教会もだ、そして奥華はとにかくお酒が出て皆やたら飲むことで知られている系列で天理教の中でも有名らしい。
「それは」
「お酒はでござるか」
「人のお付き合いで飲むし」
「そういえば学園の教会も」
「お寺も神社もキリスト教の方もね」
 あちらの神父さん、牧師さんもだ。
「一緒にいて仲良くお仕事して」
「飲んでいるでござるな」
「うん、神父さんでも日本酒飲むし」
 そしてお坊さんがワインをごくごく飲む、般若湯だからいいにしても見ていて物凄い違和感がある。
「日本だね、そこも」
「神父さんが一升瓶抱えて盃持っている姿は」
「そうした国ってことで」
「お互いの宗教が仲がよくて」
「そうしたこともあるんだ」
 何でもあの神父さんは無類の日本酒好きとのことだ。
「まあそれもね」
「日本でござって」
「この教会も」
 ひいてはだ。
「お酒がかなりあるから」
「そこはでござるか」
「贅沢はしていないけれど」
「お付き合いで用意しているでござるな」
「八条家もかなり寄付してるし」
 そのお酒をだ。
「そうしているからね」
「お金以外にもでござるな」
「そうなんだ、じゃあね」
 中に入ろうとだ、僕は二人に言ってだった。
 そのうえで教会のベルを鳴らすとだ、すぐにだった。
 小柄な大学生位の女の人が出て来た、黒髪をショートにしていて垂れ目で童顔の可愛い感じの人だった。
 その人を見てだ、マルヤムさんはこう言った。
「中学生の娘でござるか」
「中学生かしら」
「そうではないでござるか?」
「高校一年生位かしら」
 友奈さんはこうマルヤムさんに話した。 
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