八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百五十六話 教会の中その一
第百五十六話 教会の中
マルヤムさんはその教会の門にある筆で書かれた看板を見てそのうえで僕に考える顔になって言った。
「道場みたいでござるな」
「武道の?」
「この看板を見ているとでござる」
木の板に筆で書かれたそれをというのだ。
「そう思ったでござる」
「そう思うんだ」
「拙者としてはでござる」
「別に武道はしないけれどね」
マルヤムさんに少し笑って話した。
「ここでは」
「そうでござるな」
「うん、特にね」
「けれど木の板に筆だからでござる」
「そうした看板だから」
「そう思ったでござる」
「イメージだね、まあね」
言われてみればだ、僕もマルヤムさんに応えて話した。
「そうした風に見えるかもね」
「瓦の建物でござるからな」
「これが道場だね」
「そう見えたでござる」
「お家も隣にあるし」
廊下を伝ってだ。
「丁度そうなるね」
「この中で剣道や柔道をしていてもでござる」
「不思議じゃない」
「そう見えるでござる」
「じゃあ看板を変えたら」
それこそ何とか流道場にしてもだ。
「そうなるね」
「そうでござるな」
「けれど実は違う」
「天理教の教会でござるな」
「そうだよ」
このことは断った。
「ここはね」
「わかったでござる」
「大きな建物ね」
そこを見てだ、友奈さんも言った。
「ここだとかなりの人が入られそうね」
「実際結構な人が集まるから」
見ればお家もあるしお家以外に人が泊まれる建物もある、八条分教会は信者さんも系列の教会も結構あるのでそうしたことも充実しているのだ。
「だからね」
「そうした人達の為に」
「大きいんだ」
教会もだ。
「お家は普通だけれどね」
「そうね、お家はね」
「普通なんだ、そこは質素なんだ」
「自分達のことはなの」
「質素なんだ」
「それが天理教なのね」
「贅沢はしないよ」
これはどの教会でも布教所でもだ。
「そうしたことはね」
「左様でござるか」
「だからお家はね」
会長さんとご家族が暮らす場所はだ。
「ああしてね」
「質素なのね」
「一軒家だけれど」
それでもだ。
「造りがね」
「質素ね」
「どの教会もこうだから」
「大教会でもなのね」
「そうだよ」
奥華の大教会に行ったら本当に質素なお家だった、大教会長さんとご家族のお家も大教会の敷地の中にあったけれど。
「教会は大きく立派でも」
「住むお家は」
「質素なんだ、それで大きな教会は」
この八条分教会もそうだ。
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