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夢幻水滸伝

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第五十三話 東国その十一

「そしてそこからな」
「奇襲か」
「綾乃ちゃんが率いる軍勢をな」
「わかった、では厩橋城に行くか」
「そうするな、さて上野に行く前にな」 
 幸田は話が一段落したところで笑って話した。
「腹ごしらえをするか」
「ふむ、そうだな」
 日毬は幸田の今の言葉には少し考える顔になって述べた。
「丁度いい時間だ、ではだ」
「昼飯にするか」
「では何を食する」
「寿司でどうじゃ」
 幸田は腕を組み笑って日毬に提案した。
「それで」
「ふむ、寿司か」
「それか蕎麦じゃ」
 こちらも出す幸田だった。
「ざるかせいろじゃ」
「どれもお主の大好物だな」
「あと鰻も好きじゃ」
 こちらもというのだ。
「背中から捌いたな」
「それは私も同じだ、鰻は背中から捌く」
「それが一番いい、焼き方もな」
「やはり江戸風だな」
「それよ」
 幸田は笑って言いきった、背中から捌くそれも江戸のものだ。
「それに限る、それで今から食うのはな」
「寿司か蕎麦か」
「どれにするかよ」
「お寿司かしら」
 麻友は幸田の言葉を受けてまずはそちらかと考えた。
「それなら」
「おう、麻友っちはそっちか」
「最近お寿司食べてなかったし」
「それで寿司か」
「どうかしら」
「いいんじゃないの?」
「それで」 
 武者小路と遠藤も寿司でいいとした。
「丁度この城にはいい職人もいるし」
「皆で食べましょう」
「あっしは大歓迎だぜ」
 有島はまさにこれといった感じだった。
「寿司にしようぜ」
「握りでお願いします」
 千歳はどういった寿司かも言った。
「まずは卵で」
「トロがあれば最高ですね」
 宮子はこちらのネタだった。
「それでは私も握りで」
「天婦羅握りを」
 宮沢はこちらだった。
「是非」
「よし、じゃあ寿司じゃ」
 幸田は自分の下にいる者達の言葉を全て聞いて決めた。
「今から食うか」
「うむ、ではな」
「職人のところに行って皆で食うか」
「そうしよう、しかし寿司とはな」
 日毬は少し後ろめたさを感じてこんなことも言った。
「いつも思うが贅沢だな」
「それ言ったらおしめえだろ」
 幸田はその日毬にすぐに言い返した。
「それこそな」
「そうなるがな」
「というか日毬ちゃんいつも質素じゃな」
「武家の家だからか」
 日毬は自分が質素なのはそこからかと考え幸田に答えた。 
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