| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第百五十五話 天理教の教会その七

「それこそ」
「調合してもまずいでござるな」
「犯罪になる場合あるよ」
 危険物所持ということだろうか、これで捕まった人もいると聞いたことがある。そう考えると毒の調合もするものじゃない。
「トリカブトとかもね」
「お家で栽培していても」
「まずいし、跳躍の鍛錬で使うケシもね」
「まずいでござるな」
「これ麻薬の原料だから」
 本当にこの理由でだ。
「今は持てないしね」
「そうでござるな」
「何かとね、忍術もね」
「教わっていないものもあるでござる」
「教えられないものがね」
「毒はその最たるものでござる」
「吹き矢位は習うね」
 これは遊びでもある。
「これは」
「習うでござるよ」
「それ位はね、ただ」
 本来の忍術ではだ。
「吹き矢にもね」
「毒を塗るでござるな」
「それで遠間から吹いてね」
 暗殺の対象に対してだ。
「殺してるからね」
「それも忍術でござるな」
「そうだよね、けれど毒は」
「教わっていないでござるから」
「使わないね」
「そうでござる」
「じゃあ吹き矢もね」
 この暗殺に使う術もだ。
「意味はないから」
「遊びでござるな」
「そうなるよ、本当にね」
 僕はあらためてマルヤムさんに話した。
「忍術は今は使えない術もあって」
「そしてでござるよ」
「教わっていない術もあるね」
「危ないからでござる」
「忍術部も部活だしね」
「心身の鍛錬をしろと言われているでござる」
「忍術じゃなくて忍道だね」
 僕は忍術部で教えているものは何かとだ、マルヤムさんに話した。
「そうだよね」
「そうでござる、やっぱりでござる」
「忍術もまた心身を鍛えるもの」
「今はそうなっているでござる」
「それはマレーシアでもだったかな」
「はっきり言われていたでござる」
 そちらでもだったというのだ。
「忍術とは心身を鍛えるものだとでござる」
「教わっていたね」
「そうだったでござる」
「昔は全く違ったからね」
 戦国時代、忍者がそうした仕事に一番忙しかった時代だ。江戸時代は碌を貰って諜報の方に専念していたらしい。
「暗殺とかもする為に」
「体術を鍛えていたでござるな」
「そうだったからね」
「それが今ではでござる」
「道だね」
「武道の一つでござるよ」
 そこまでなったというのだ。
「部活ではそう言われているでござる」
「いいことだね」
「ただ、その忍術をでござる」
 ここでマルヤムさんは眉を顰めさせて僕にこうも話した。
「心身の鍛錬と言いながらでござる」
「心はだね」
「鍛えていない奴がいるでござる」
「そういう奴はどの武道でもいるよ」
 心身を鍛錬するのが武道でもその心を鍛える、己の精神面を高いものにやる様な修行をしていない奴がだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧