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夢幻水滸伝

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第五十二話 東国からの使者その十

「東国の要所やからな」
「攻め取るんやな」
「そうしてもらう、迅速に箱根越えてな」
「それからやな」
「自分も江戸に向かってもらうで」
「責任重大やな」
「相当にな、東国の方は絶対に自分と僕に強い奴を向けてくる」
 芥川はここでも相手の考えを読んだ、これも軍師の務めだった。相手の動きを読んでそのうえで策を立てることも。
「相模も江戸も失う訳にはいかんからな」
「当然のことやな」
「そやから間違いなく激戦になる」
 攻め入ったその時はというのだ。
「あんじょう戦ってもらうで」
「これまで通りやな」
「そうしてもらう、それで綾乃ちゃんはな」
 芥川は綾乃にも言うのだった。
「越後から攻め入ってもらうけどな」
「主力やないな」
「そやけどな」
「越後から上野、下野に入ってやね」
「そこからどんどん南下してな」
「やっぱり江戸やね」
「いや、出来たら下野から東に向かってな」
 そうしてというのだ。
「関東の東の方を攻めていってな」
「東北とかもやね」
「攻め取っていって欲しいんや」
「江戸を孤立させるんやね」
「そうや、僕と中里で江戸に向かって江戸を包囲してな」
「うちは東北に向かうんやね」
「上総と下総とかは僕等が別動隊送って攻め取る」
 予定としてはそうするというのだ。
「そして綾乃ちゃんはな」
「東北を攻め上がるんやね」
「そうしてもらうわ、まずは上野の厩橋城を攻め取ったらそこを最初の拠点として」
「そこからやね」
「下野、そしてそこから東に入って」
 そしてというのだ。
「水戸までいってな」
「水戸城やね」
「あそこを攻め取ってそこから会津、仙台ってな」
 進んでいってというのだ。
「そこまで一気には無理やろけど陸奥までいってもらってな」
「最後はやね」
「蝦夷や」
 この国もというのだ。
「攻め取ってもらうで」
「責任重大やね、うちも」
「そやな、若し連中が江戸で粘ったら」
 その時はというのだ。
「敵の力を徹底的に削いで援軍が来るのを防ぐ為にも」
「東国の国をどんどん攻め取っていって」
「こっちの領地にするんや」
 そうしていくというのだ。
「そうなれば相手も戦うことが出来ん様になってな」
「降るしかなくなるんやね」
「そうなる、けどそれも勝っていってこそや」
 これが絶対条件だというのだ。
「さもないとや」
「そんなん出来んな」
「そや、そやからもう星の奴の神具の力も術も惜しみなく使ってや」
 そうしてというのだ。
「装備のよさも活かして」
「戦うんや。物量もや」
 これもと言う芥川だった。
「武器になる」
「物量作戦か」
「大砲も銃も術もある」
「それをどんどん使うんやな」
「僕等の力と一緒にな」
「そうして戦うか」
「折角そういうもんが揃ってるんや」
 それならというのだ。 
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