夢幻水滸伝

「使わなあかんやろ」
「使えるもんは全部使うのが戦や」
　中里も言った。
「そういうことやからな」
「そや、流石にわかってるな」
「ああ、戦は戦の場だけでするんやない」
「策も立ててや」
「物資も用意してや」
「それでやるんや、むしろ戦の場でするのはな」
　それはとだ、芥川は軍師即ち戦に勝つ策を出し備えを考える者として中里そしてその場にいる面々に話した。
「最後の詰めや」
「そのレベルのことやな」
「そや」
　まさにという返事だった。
「それでや」
「これまで用意してたな」
「東国とのことでもな」
「僕等はそうした戦してきたな」
「そや、いきなり戦の場で戦って勝つ」
「それはやな」
「あかん戦の仕方や」
　芥川はそうした俗に考えられる戦の仕方には駄目出しをした。
「最悪や」
「その戦の場に出る前に確実に勝てる様にしておく」
「それが戦や、そしてや」
「戦をするからには目的を考えることです」
　太宰が言ってきた。
「戦は政の中のものですから」
「その一環やからな」
「そうです、この場合はです」
　太宰は中里に話した。
「東国に勝ち併呑し」
「日本統一やな」
「それが目的です」
　こう中里にそして他の星の者達に話した。
「まさに」
「そやな、ほな勝ってな」
「日本を統一しましょう」
「そうしような、しかしどんどん動いてるな」
　中里は太宰と話してから腕を組んでしみじみとした顔になってこうしたことも言った、この世界でのことを思ってだ。
「この世界は」
「ずっとこうだったぜ」
　玲子はその中里に笑って話した。
「あたしが来てからもや」
「僕がこの世界に来る前でもか」
「ああ、関西が旦那が来た時みたいな勢力になるのだってな」
「どんどん動いてやったな」
「あそこまでになったんだよ」
　そうだったというのだ。
「これがな」
「そうやったな」
「その話は聞いてたわ、どうもこの世界はな」
「どんどん統一に向かってるね」
「そのことは星の連中が出てからやな」
「そうなってるね」
「何でもです」
　美鈴が博多訛りの口調で話してきた。
「この世界は長い間海の底で眠っていたらしいですから」
「ああ、それがやな」
「はい、アトランティスとムーをそれぞれ統一した英雄達がです」
「世界を海で眠らせていた魔神をやな」
「倒しました、そしてです」
「それからやな」
「この世界に私達が出たとです」
　ここではそのまま博多弁が出た美鈴だった。
「そうなったとです」
「それでやな」
「それから世界各地が動いています」
「星の連中によってやな」
「そうなっています、そしてこの世界自体も」
「何かの危機が迫っててな」
「私達はその世界を救う義務があるとです」
　星の者達にはというのだ。