八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百五十三話 最後のお素麺その十一
「そうね」
「けれど」
「世界は違うんだね」
「真実は言わないとね」
それも自分達が言うのが一番だというのだ。
「それこそ」
「明らかにならなくて」
「真実にはならないから」
「だから言うんだね」
「そう、私も最初は言わなくてもって思っていたけれど」
友奈さんもそうした考えだったという、最初は。
「けれど今は違うわ」
「言わないと駄目なんだ」
「そう思っているわ」
「変わったんだね」
「この学園で色々なお話を聞いて」
「実はこの学園部活が一杯あるせいでね」
日本文化に関係する部活も多い、剣道もその中に入っているしマルヤムさんの忍術部もそうだし文科系の茶道部や歌舞伎部もだ。
「そうした話も多いね」
「剣道とかの起源が違う」
「忍者もね」
僕はその忍者のマルヤムさんを観つつ友奈さんに答えた。
「そうした話がね」
「あってそれで」
「そうした話を聞いてなんだ」
「そうした考えになったの」
変わったというのだ。
「本当にね」
「そうなんだ」
「真実は言ってこそ真実になる」
「下手をすると嘘で隠されてしまうよね」
「その真実が」
折角こちらに真実があってもだ。
「そうなるから」
「だからわかったんだ」
「そうなの、それと」
「それと?」
「嘘は百回言っても百万回言っても嘘」
真実は言わないと真実にならない、けれど嘘はこうしたものだというのだ。
「それは変わらないわ」
「だからばれるんだね」
「必ず」
そうだというのだ。
「そして論破出来る」
「だから真実を堂々と言っていいんだね」
「そう、怯えないで」
そのうえでというのだ。
「真実を言えばいい」
「嘘が嘘であることは変わらないから」
「そう」
まさにというのだ。
「そうしていけば」
「そういうことなんだね、じゃあ」
ここでまた言った僕だった。
「真実を言うことを憶するな」
「そう、堂々と主張する」
「胸を張って」
「本当のことを言って恥ずかしいかしら」
友奈さんは僕に聞いてきた。
「どうかしら」
「いた、それはね」
「違うわね」
「うん、真実だからね」
もうこのことは紛れもないならだ、どうしてそれを言って恥ずかしいことがあるのだろうか。
僕もこう思ってだ、マルヤムさんに答えた。
「それならね」
「そうね、真実は」
「言って恥ずかしいことじゃない」
「嘘を言い続けるには恥を捨てないといけないけれど」
つまり恥知らずでないと出来ないことだ、とはいっても外交や交渉ではその嘘も必要だろうか。
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