夢幻水滸伝
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第五十話 東国その四
「そうして頂きます」
「そうなるか」
「それぞれ」
「そうか、しかしな」
「大臣になられることについてですね」
「違和感あるな」
自分としてはと言う芥川だった。
「どうにも」
「起きている世界では、ですね」
「一介の学生やからな」
「あちらの世界はあちらの世界です」
太宰は自分達本来の世界のことを出した芥川にあっさりと答えた。
「そしてこちらの世界はこちらの世界です」
「そういうことか」
「はい、ですから」
「こちらの世界ではどうかでやな」
「神星になりますとそれだけの力がありますので」
だからだというのだ。
「大臣になって頂き」
「そうしてか」
「政にも励んで頂きます」
「そうなるねんな」
「そうです、ただ内政の全ての統括は私になります」
太宰はこのことはとも話した。
「やはり」
「宰相としてやな」
「そうです、大臣といっても格で」
「ああ、そういうことか」
「軍の将軍格、いえ元帥位になると」
そこまでになればというのだ。
「大臣になりますので」
「ほな僕は軍師でやな」
「僕は軍事の大臣で他の六将星の連中もか」
中里はここでまた再び言った。
「軍の責任者としてか」
「はい、大臣格としてです」
「軍を動かしてもらうんやな」
「はい、ただ軍の独走は危険なので」
そこも既に考えている太宰だった。
「おそらく四智星の方からです」
「ああ、リーかシェリルちゃんか」
「リーさんですね」
彼になるだろうという返事だった。
「あの方に内政も軍事も統括する宰相の上にある地位になって頂きます」
「自分より上か」
宰相である太宰よりもとだ、中里はその彼自身に問うた。
「そうなってもらうんか」
「そう考えています」
「自分がそうならんのか」
「はい、私はどちらかというと内政向きの人間なので」
そう考えているからだというのだ。
「ですから」
「それでか」
「太平洋の内政を担う為に」
「あえてか」
「国政の最高位はです」
棟梁である綾乃のすぐ下にいて内政も軍事も統括する者はというのだ。
「やはり太平洋随一の知力学識をお持ちの」
「リーか」
「あの方だと思います」
「そうか、それでシェリルちゃんもやな」
「国政に活躍して頂きます」
彼女にもというのだ。
「是非」
「あの娘にもか」
「リーさんの補佐役として」
その立場でというのだ。
「そのお立場で」
「そうしてもらうか」
「あと外交も考えていますので」
「そっちもか」
「はい、こちらは何でもアフリカに優れた方がおられるそうですが」
あの地域にというのだ。
「そちらも担う方も必要ですので」
「それでやな」
「はい、つまり内政と軍事そして外交です」
この三つの分野になるというのだ。
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