夢幻水滸伝

「脅威はロシアとインドの連合です」
「あの二国やね」
「完全に同盟といいますか一つの勢力になっています」
　この世界のロシアとインドはというのだ。
「女帝と雷帝が手を結び夫婦の様になり」
「共同統治やね」
「そうなっていますので」
「神星の二人がやね」
　三人いる神星の中でも頂点にある三極星のうちの二人がというのだ、綾乃はその三極星の残る一人として言った。
「手を組んでやね」
「そうです、そしてその脅威はです」
「相当なものやね」
「勢力では太平洋が圧倒していても」
　それでもと話す太宰だった。
「三極星のうちの二人、そして四智星の一人もいて他にも」
「精鋭が揃ってるんやね」
「ですから」
　人材が揃っている、だからだというのだ。
「彼等との戦いは激しく長いものになるかと」
「そやろね、やっぱり」
　綾乃も腕を組み考える顔になって太宰に応えた。
「あそことは」
「ですから」
「統治の仕組みはしっかりと作って」
「そのうえで星の方々も揃え」
「国力も養って」
「戦っていきましょう」
「この世界を救う為にやね」
　綾乃はあらためて言った。
「そうしてくんやね」
「左様です」
「そやね、そやったらそのことはな」
　当地の仕組みを整える、国家にとって絶対に欠かすことの出来ないこのことはとだ。綾乃は駄愛に話した。
「太宰君に任せるわ」
「それでは」
「そこはな」
「無論お二方もです」
　太宰はここで中里と芥川、今は何も言っていない二人にも声をかけた。
「大臣にです」
「なってもらう」
「そうやねんな」
「はい、やはり神星の方のお力は」
　何といってもというのだ。
「突出していますので」
「僕は政の方もしてるけどな」
　戦でない時はとだ、中里は太宰に応えて話した。
「けどな」
「専門ではとですね」
「専門は戦やで」
「ですから軍事担当のです」
「大臣にか」
「なって頂きます」
「そやねんな」
「そして軍師殿もです」
　太宰は芥川にも声をかけた。
「是非です」
「大臣にか」
「はい」
　芥川に対しても言ったのだった。
「そうして頂きます」
「大臣か、僕も」
「軍師自体が大臣といいますか」
「ああ、そういうことやな」
「太平洋を統一した時神星の方は十人になりますが」
「綾乃ちゃんは棟梁でやな」
「九人の方はです」
　芥川を含めてというのだ。
「どの方もです」
「大臣にか」
「なって頂いて」
「そして政をしてもらうっていうんやな」
「はい」
　その通りという返事だった。