夢幻水滸伝
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第五十話 東国その二
「しっかりと」
「そうやねんね」
「はい、日本は日本ではなく」
「太平洋の中の日本やね」
「そう考えてです」
そのうえでというのだ。
「システムを整えています」
「今からやね」
「そうしてです」
「統一したら即座に」
「日本も太平洋もです」
どちらもというのだ。
「そのシステムにおいてです」
「治めていくんやね」
「はい、システムというと近代の様ですが」
「要するに統治の仕組みやね」
「そうです、幕府のそれの様な」
太宰は江戸幕府の統治の仕組みを脳裏に浮かべつつ綾乃に話した。
「そうしたものとお考えになってくれれば」
「ああ、お奉行とかの」
「そうです、ああしたものです」
「そういうことやね」
「明治や現代の政府を参考にしてです」
そのうえでというのだ。
「考えています」
「そうなんやね」
「はい、各分野の専門家の星達が加わりましたし」
彼等のこともあってというのだ。
「彼等を大臣、その他にも主要な星の方々はです」
「大臣にしてやね」
「そしてその下にです」
太宰は言葉を続けた。
「官僚、つまり官吏達のです」
「治める仕組みをやね」
「築いていって治めていきます」
「そうするねんな」
「はい、そして」
「万全に治めるねんな」
「そうです」
まさにと言うのだった。
「そうします」
「ううん、今の政府とかみたいな感じでか」
「官僚組織も時代と共に整っていますので」
「それでやね」
「今の官僚機構が最も統治に向いていると思うので」
それでというのだ。
「私としてはです」
「今の政府のやね」
「官僚機構を手本としてです」
「統治の仕組みを考えていくんやね」
「それをはじめています」
太宰は綾乃に答えた。
「今から」
「成程なあ、そこまでやねんね」
「各地域、つまり各国は地方行政として」
「太平洋全体を治めるんやね」
「やはり太平洋は広いです」
このことも念頭にある太宰だった、治める地域のことを把握してこそ政は成るということであろうか。
「ですから分権体制もです」
「整えてくんか」
「そう考えています、中央集権よりも」
さらにというのだ。
「太平洋は分権です」
「各国でやね」
「そうです、ただ」
「地方ごとにしてもやね」
「やはり中央は力を持つべきで」
「そのバランスもやね」
「考えの中に入れています」
そうしているというのだ。
「どう治めるのかは」
「そこまでやねんやね」
「そうしています、太平洋まではすぐに統一出来ると思いますが」
「各勢力の勝ち残りみたいな決戦になりそうやしね」
「おそらくですが」
「太平洋の統一からはやね」
「長い戦いになると思いますので」
そこからはというのだ。
「ですから」
「それで、ですね」
「太平洋の統治でしっかりとした力を養うべきです」
「欧州やロシア、インドとの戦いがあるさかいな」
「欧州も問題ですがやはり」
何といってもと言う太宰だった。
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