八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百五十一話 宗教と妖怪その二
「そうしてくてれてね」
「それで、ですか」
「一発思いきりぶん殴ったのよ」
「許せなくて」
「相手が先生でもね」
目上の人になるけれど、というのだ。
「酷過ぎるって思って」
「平気で言ったんですよね」
「そうよ、完全にね」
「そこまで無神経なのは」
「ないでしょ」
「本当にそう思います」
こういうしかない、聞いていて。
「そうした意味でも馬鹿な人ですね」
「それで一発ね」
「殴ってですか」
「終わったわ、相手防具着けていたけれど」
「それじゃあ痛くなさそうですね」
「どんな相手にも暴力は振るうなってね」
よく言われる言葉だ、けれどこの言葉を実行することは簡単なことじゃないと思う。人間には感情があるからこそ。
「先生にも言われてたのよ」
「その顧問の先生にですか」
「ええ、だからね」
「その時日菜子さん思わずですか」
「かっとなってね」
それでというのだ、実際に。
「衝動抑えるのに必死だったわ」
「殴りそうで」
「そうしてやろうかってね」
「思われたんですか」
「オウムとか過激派がどんなに酷いか知っていたから」
だからこそというのだ。
「それで危うくね」
「手が出そうにですか」
「なったわ」
そうだったというのだ。
「本当にね」
「そこで顧問の先生に止められたんですね」
「あの時に先生が来てくれなかったら」
「その先生を殴って」
「厄介なことになってたわ」
先生を殴っていいことがある筈がない、その責任は問われる。具体的には内申書に書かれる。
「中学生でもね」
「そうなっていましたね」
「それでね」
実際にというのだ。
「殴りそうになって」
「止めてもらって」
「顧問の先生がそいつを言葉巧みに稽古に呼んで」
空手部のそれにというのだ。
「そこでだったのよ」
「その馬鹿な先生ぶん殴ったんですね」
「ええ、防具を漬けていて稽古だったけれど」
それでもというのだ。
「思いきり一発ね」
「殴ってですか」
「終わらせたわ」
「そうだったんですね」
「その教師今クビになったらしいけれど」
「基地反対運動とかで何かやったんですね」
「ええ、反対運動に参加していてね」
お話を聞いてお約束だと思った、そうした人が基地反対とか色々な運動をしていない筈がない。
「アメリカ軍の基地の中に入って」
「あのフェンス越えてですか」
「アメリカ軍の人鉄パイプで殴ってね」
「そのまま暴力ですね」
「逮捕されて」
「クビですか」
「そうなったらしいわ」
「本当に馬鹿だったんですね」
僕はその話を聞いて心から思って言った。
「その先生は」
「ええ、それでもまだ何か言ってるらしいわよ」
「あれこれとですか」
「言ってる内容わかるわよね」
「そうした人の常ですね」
「そうよ、平和だの自由だの人権だのってね」
こうした人達のお決まりの言葉だ、それでやっていることは暴力行為ばかりだから語るに落ちている。
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