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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百五十一話 宗教と妖怪その一

            第百五十一話  宗教と妖怪
 日菜子さんは僕にだ、こうも言ってきた。まだ八条荘は見えていない。二人でそのまま歩いていた。
「不愉快な話だったかしら」
「いえ、別に」
 僕は日菜子さんに微笑んで答えた。
「かなり凄いことを教えてもらったと」
「そう思ってくれてるのね」
「はい」
 こう答えた。
「本当に」
「だといいけれどね」
「いや、しかし本当にそんな人がいるんですね」
「酷いものでしょ」
「人間上には上がいますけれど」
「下には下がいるのよ」
「そうなんですね」
 馬鹿も馬鹿でとんでもない馬鹿がだ。
「学校の成績とかじゃなくて」
「人間としてね」
「愚かってことですね」
「幾ら学校の成績がよくても」
 学校の先生になれる位だ、もっとも中には元不良で柄も半端じゃなく悪い何かのコネで入ったんじゃないかという先生もいる。
「そこまで馬鹿だとね」
「意味がないですね」
「全くよ」
「学校の成績とは違う」
「その馬鹿教師をぶん殴った時ね」
 空手の場でだ。
「顧問の先生がそいつに言ったのよ」
「その先生にですか」
「そう、顧問の先生が馬鹿教師を連れて来るのに協力してくれたけれど」
 つまり日菜子さんがぶん殴ることにだ、その顧問の先生もかなり頭にきていたことがわかった。
「学校の成績がいいのはそれだけだって」
「あくまで、ですね」
「問題は人間としてどうか」
「それが問題とですか」
「私にも他の部員にもね」
「言われたんですか」
「そうよ、それがわからないとね」 
 人間としてどうか、そのことがだ。
「この馬鹿みたいになるってね」
「その馬鹿教師を指し示しでもして」
「実際にそうしたわ」
 指し示したというのだ。
「それで私達に話してくれたのよ」
「そうだったんですか」
「実際にそう思ったわ」
「民主主義、法律、人の命の重さに心の痛み」
「そういうものがわかっていないとね」
「人間として駄目ってことですね」
「どれも大事じゃない」 
 今挙げた全てのことがというのだ。
「法律も民主主義もね」
「特に人の命と心の重さが」
「それがわかってなくて権力に反対するならいいとか平気で言ったら」
「愚か過ぎるってことですね」
「そうよ、何時どうしてそんなことを言ったかわからないけれど」
「幾ら学校の成績がよくても」
「意味がないわ、確か早稲田卒業だったわ」
 大学はそこだったというのだ。
「その馬鹿教師はね」
「早稲田ですか」
「あそこだったのよ」
「早稲田ってマスコミ関係者多いですね」
「そういえばそうね」
「どういう訳か」
 何かよく聞く。
「それで結構問題のある関係者多いですね」
「そういえば」
「はい、それでその先生もですか」
「早稲田出身でね」
「そんな人だったんですね」
「私その言葉直接聞いて怒ったのよ」
 その先生にというのだ。
「じかにね、それで怒っていたら」
「そこで、でなんですね」
「顧問の先生がたまたま私達のところに来て」
「仲介に入って」
「お互いの話を聞いてそうしてくれたのよ」
 空手の場での勝負を提案してくれたというのだ。 
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