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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百五十一話 宗教と妖怪その三

「言ってね」
「そうしてですか」
「クビになっても反省していないわ」
「それで釈放されてもですね」
「まだ騒いでるみたいよ」
「もうお仕事ないのにですか?」
「塾の先生か何かになってるみたいよ」
 先生のお仕事はクビになってもというのだ。
「どうやらね」
「それでまだ、ですか」
「馬鹿やって言ってるみたいよ」
「それじゃあ幾ら学校の成績よくても仕方ないですね」
「そうよね」
「人間として最低っていうか」
 何か話を聞いているとこうも思った。
「人間ですらないですね」
「屑どころか」
「はい、人間以下ですね」 
 餓鬼道に堕ちたというべきか、正直畜生道というけれど餓鬼なんかと比べると生きものに失礼だと思う。
「餓鬼ですね」
「心が卑しくてっていうのね」
「これも親父に言われました」
 あれで色々教えてくれる親父だ、このことも思った。
「人間は身体で人間になるんじゃないって」
「心で、よね」
「はい、そこでなるものだって」
「その通りよ、人間はね」
「心で、ですよね」
「なるものよ。というか共産主義で倫理ってね」
 宗教にあるそれをだ。
「教えてないでしょ」
「そもそも経済学ですからね」
「そこから世の中全部を共産主義にしてしまえってなるから」
「宗教も否定して」
 マルクスが無神論者だったことからだ。
「それで、ですね」
「共産主義万能ってなって」
「宗教を否定して」
「法律はあっても」
「基本な倫理は」
「教えてもね」
 それでもというのだ。
「宗教みたいに強くないでしょ」
「何ていいますか」
「そう、共産主義自体が宗教としたら」
「神様がいなくて」
「結局経済学じゃない」
「哲学でもなくて」
「一緒になってるけれど」
 ここに歴史学とかも入る、どうもマルクス主義は経済学の筈なのに哲学や歴史学にまで影響している。
「宗教じゃないし」
「思想かっていいますと」
「元々経済学で」
「そこから哲学を言っていて」
「何かね」
「違うんですか」
「そうみたいだしね」
「倫理についてもですか」
「強くないのよ」
 どうしてもそうなるというのだ。
「ことの善悪については」
「そうなっているんですね」
「それでも絶対のものがあって」
「イデオロギーですね」
「それよ」 
 まさにというのだ。
「イデオロギーが絶対でね」
「共産主義のそれが」
「それに反対するのなら」
「もう誰でもですね」
「粛清ってなるのよ」
 あさま山荘のそれの様にだ。
「それでその流れを受け継いでいたのが」
「日菜子さんが殴った、ですね」
「その先生よ」
 そうだったというのだ。 
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