| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

武装神姫 ~心と心の最前線(Front Line)~

作者:太陽と月
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第一章 『ユウナ』
  第4話 感覚


自宅にて・・・


 メンテナンスの間の彼女はとてもおとなしい。時々それを利用して説教を中断させてしまうこともある。恥ずかしいがゆえにおとなしくなるのだが、今日の彼女は違った。私が悲しい顔をしながらメンテナンスをしていたからである。

 「マスター。私のことを大切にしてくれるのは本当に嬉しいです。ですが心配しすぎですよ。見てください!マスターのおかげで傷も元通りです!」

 気を使わせてしまったようだ。少しだけ微笑み返す。神姫バトルの間は武器の出力は抑えられており(まあ普段はエネルギー源がなくなっているため動きもしないが)、更には機体の表面にエネルギー波を貼ることで大きな事故につながらないように守られている。つまるところ、戦いのどういった面にエネルギーを使用するかの違いであり、最低限の施しはされているが戦い方によったら傷もつくということだ。モノを大切にする主義だが、モノかどうか以前に結奈のことをもっと大切にしていきたいと思うようになっていた。

 「それでですね、マスター。 先程言った今後のことなのですが・・・。」

 しまった、もうそんな時間か。今日はどう頑張っても回避できなさそうだ。自分自身としてはしんみりした気持ちになっておりあまり説教を聞けるほどゆとりはないのだが。

 「思い切って戦い方を変えてみませんか!ズバリですね、今までスピードを重視していたのに対して、守りを重視していくようにしてみましょう!」

 自分には防ぎきる自信がない、相手の手数が多くなればなるほど技術は求められてくる。また結奈を傷つけてしまわないか不安になってしまう。

 「やはり・・・。マスターは気づかれていないようですね。今日のバトルでも公園のできごとであっても、マスターは防御というか回避というか・・・。とにかくそういう事に関しては中々な技術を持っていると思いますよ?」

 そんなはずはない。実際に今日は止めに一撃をもらったわけだし、ボールも自分に当たっていなかっただけだろう。

 「往生際が悪いですね。ほら!マスター、見てください。私のシールド、そんなに傷ついてないように見えませんか?」

 確かに、目立つ傷は無く、よく見てみると2~3本ほど線が入っているように見えるだけだった。だが、そこまで上手く受け流したのは実は結奈がやったからではないだろうか。

 「うっ・・・。ですから今日のはすみませんでした。でも私が動いたのはレールアクション中にしてしまった回避だけであり、本当にマスターに任せていたのですよ!」

 まさか、自分にそんな特技があったとは思いもしなかった。だが本当に記憶がないところを考えてみれば、無意識中に出来ていたという説が最も有力だろう。

 「根本的な事を言ってしまうと実は私はそこまでスピードに自信があるわけではありません。確かにチューニングを行えばある程度まではカバーできると思います。ですがもともと速さを求めて作られているアーク型やエストリル型などに比べれば劣るのは間違いないです。」

 そうだったのか。確かに神姫にはいろんな娘がいた。私の感覚的には見た目の差だけであり、住む環境が異なれば自ずと性格が変わってくるものぐらいにしか捉えていなかった。性能のことを考えてもどの娘であろうと一般的な家事は満遍なくこなすことができる。神姫バトルへの影響はあまり考えたことがなかった。

 「私の武装を見てくださいマスター!比較的軽い武装が多いでしょう? 軽いから速い!・・・というわけではないのですが、バレリーナがモチーフになっているので神姫バトルで言うところの回避アクションが得意なんです。加えてこのシールドを使うことで少々の防御戦法なら行うことができます。攻撃することも大事ですがマスターは武器にばかり執着しすぎですよ?」

 なるほど、もし自分が防御や回避に定評が有るならば彼女との組み合わせは良く合っていると言えるだろう。まずは自覚するところから始めなくてはならない。とりあえず今はメンテナンスと共に回避重視にチューニングしておこう。

 「マスター! 私の考えを取り入れて下さりありがとうございます! ふふっ/// もう今から次のバトルが楽しみになってきました!」

 そういえばゲンさんがなにか大切なことを言いかけていた気がする。神姫バトルは1人で戦っているのではないと・・・。それはもちろん二人で戦っているに決まっている。1人のマスターが1体の神姫にライドオンするわけだから。一体何を伝えたかったのだろうか。悩みの種というものは花が咲くと同時にまた生まれてしまうものだと感じる一日だった。
                                   第4話 完
 
 

 
後書き
まぁ、どうせそんなに勝ちで読まれていない(読者の確認の仕方が分からない)のでただの杞憂ですが、更新頻度低いうえに一話ごとの量も少ないとはこれいかに・・・。ストック無くなる~~~!
できる事ならきつめでも提案でも指摘してもらって、こんな風に表現してみてはと頂いた意見を基に改善して、せめてこの二次小説だけは完成させたいなと取り組んでいます。後書きの使い方、間違ってないと良いな。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧