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『馳せる』

作者:零那
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『Aika』



貴女は私にとって何だったのか。
そんなことを考えてみる。
たぶん、そんな大事じゃ無かったんだろう。

貴女じゃなかった。
私にとって大事なのは。
貴女以上に大事な人が居た。
だからって貴女が嫌いなワケじゃ無かった。

一緒に楽しく過ごした。
一緒に泣いたり、怒ったりもした。
一緒に星を眺めたこともあった。
うん、嫌いじゃ無かった。

嫌いになったのは、貴女があの人を傷付けたから。
なのに放っとけない状況になってるなんて。
どうにかしてあげたかった。
どうにか引き戻そうとした。

それでも結局貴女はあの人の傍に逝くんだね。
私じゃ掬えなかった。
せめて謝らせて欲しかった。
やっぱり貴女のことは嫌い。
ずっとずっと此の先も私...。

私が殺したも同然の貴女が、あの人の傍に居る。
死んでも尚、羨ましいと想われる貴女が憎い。

貴女は貴女らしく散った。
望んだ最期。
所詮私なんか...。

最期迄傲慢な貴女は美しかったのか...。


 
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