八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百四十八話 イルカその一
第百四十八話 イルカ
シャークナゲットを食べ終えた僕達は新しい場所に向かった、そこは一体何処かというと。
イルカのコーナーだった、ジョーンさんはそこに向かいながら僕に対してこんなことを言った。
「イルカを見ていますと」
「海って感じがだよね」
「しますわ、あとは」
「あと?」
「カワイルカもですわ」
そのイルカもというのだ。
「見てみたいですわ」
「ああ、ガンジスカワイルカとか」
「アマゾンカワイルカも」
そのイルカもというのだ。
「見てみたいですわ」
「カワイルカね」
「この水族館にはいませんわね」
「うん、ちょっとね」
海のイルカならともかくだ。
「日本の水族館にはね」
「ニュージーランドでもですわ」
「希少種だからね、結構」
「いる川も限られていますわね」
「確か」
カワイルカと聞いてだ、僕は言った。
「ガンジス川とアマゾン川にラプラタ川」
「ラプラタ川は確か」
「アルゼンチンの川だよ」
首都のブエノスアイレスがその河口にある、アルゼンチンを代表する川だという。
「あそこにもいるんだ」
「そうですのね」
「長江のイルカはね」
ヨウスコウカワイルカだ、このイルカもかつてはいた。
「絶滅したそうだよ」
「残念ですわね」
「そうね」
ジョーンさんもエリザさんも僕のこの話にはがっくりとなっていた、どんな生きものも絶滅は絶対に避けたい悲劇だからだ。
「それは」
「無念ですわ」
「中国の人達も必死だったらしいけれど」
その保護にだ、もっと言えば今もまだいるかも知れないと思っている人が必死に探しているらしい。
「それでもね」
「そうですのね」
「あそこじゃパンダと同じ位貴重だったそうだけれど」
そして大事にされてもいたそうだ。
「いなくなったみたいだよ」
「まだいたらいいですわね」
「そうだね、日本もね」
僕は心の中で嘆息しつつジョーンさんに応えた。
「昔はアシカやカワウソがいたんだ」
「ニホンアシカ、ニホンカワウソですね」
「アシカはいなくなって」
もう間違いないらしい。
「カワウソもね」
「いなくなったのですか」
「そうらしいよ」
どうにもだ。
「まだごく稀に四国辺りで見たっていう人が出て来るけれど」
「では」
「どうかな」
海辺とか川の端の方で見たという人が愛媛県辺りでいる、本当だったら本当に嬉しいことだけれど。
「いたらいいね」
「本当に」
「うん、いたらね」
本当にこの場合はだ。
「僕も嬉しいよ」
「けれど、ですわね」
「うん、やっぱりね」
「絶滅したとですわね」
「考えている人が多いよ」
実際にだ。
「本当にね、日本は国土の割に人口も多いし」
その人口密度は相当なものだ、そしてその分人の目もある。
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