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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百四十八話 イルカその二

「生きものも見付かりやすいだろうし」
「では」
「絶滅したかもね」
 ニホンカワウソはだ。
「山奥とかならわからないけれど」
「山奥でしたら」
 ここでジョーンさんは僕にこんなことを言ってきた。
「山の民の方がまだ」
「えっ、知ってるの!?」94
 僕はジョーンさんの今の言葉に仰天して聞き返した。
「山の民を」
「はい、それが何か」
「よく知ってるね」
 外国の人がとだ、僕はジョーンさんに驚きを隠せないまま言った。
「確かにあの人達もまだいるそうだけれど」
「そうですわね」
「一体日本の何処にいるか」
 それはだ。
「知られていないんだ」
「何か極秘のお話だとか」
「絶対に明かしたら駄目だってね」
 そう言われるらしい、当の人達から。
「日本の何処にいるのか」
「山の中に」
「山に入るとね」
 それこそだ、狭い日本でも。
「わからないからね」
「山にも川がありますわね」
「そこになんだ」
「ひょっとしたらまだ」 
 カワウソが、というのだ。
「いるかも知れませんわ」
「だといいね、もう四国にね」 
 その愛媛の方である。
「限られた場所に本当にいるかどうか」
「そう言われていて」
「いて欲しいって人は必死に探してるよ」
 川も海岸もだ。
「何とかね、イタチを見間違る人もいるだろうし」
「同じ仲間ですし」
「そうなんだよね」
 カワウソはイタチと同じ科になる、あとミンクやテン、オコジョとかもこの中に入るしフェレットもだ。
「結構悪食だともいうね」
「イタチがそうですし」
「そう、イタチってね」
「近くにいる小さな生きものは手当たり次第で」
「食べなくても襲うんだよね」
 だからイタチが大型だととんでもない猛獣になると言う人もいる。フェレットも実は狂暴らしい。
「だからカワウソもね」
「結構狂暴で」
「食べる量も多いんだよね」
 そちらもだ。
「ラッコにしても」
「この水族館にはいませんけれど」
「いたらいいけれど」
 八条水族館にはいる、あと日本だと鳥羽水族館も有名だ。
「ラッコはいないよ」
「そうですわね」
「あれはかなり稀少だから」
 文字通り特別保護対象だ。
「だからね」
「飼育する方もですわね」
「限られているから」
「結構規模の大きな水族館ですが」
「それでも無理だよ」
 この水族館でもだ。
「だからね」
「ラッコはいないですわね」
「残念だけれどね、それでそのラッコも」
「食べる量は」
「かなりらしいよ」
 言うまでもなく海の幸ばかりだ。ラッコの飼育は食費だけでも結構大変な様だ。 
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