八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百四十七話 ワニとイルカその十二
「今はそう思う」
「確かに。私も今では」
「蛸をそう思う」
「はい」
実際にというのだ。
「そう思いますわ」
「そう、美味しいと思えば」
「怖くなくなりますわね」
「そうなる、鮫も」
この魚もというのだ、僕達が今食べている。
「怖くなくなる」
「食べものという認識になりますわね」
「しかも美味しい」
この言葉まで加わるというのだ。
「そうなる」
「面白い考えですわね」
「だから私蟻は怖くない」
「美味しい、ですわね」
「蜘蛛も」
こちらもというのだ、蜘蛛は虫に似ているけれどまた別の種類の生物だ。虫は足が六本で身体が頭、胸、腹の三つに分かれているものだ。
「あれで美味しい」
「そうですの」
「種類によってはチョコレートの味がする」
「チョコレートですの」
「そう」
実際にというのだ。
「これがまた美味しい」
「信じられませんわね」
「信じられないけれど」
それでもというのだ。
「食べてみればわかる」
「蜘蛛がチョコレートの味」
「本当に」
「凄いことですわね」
「食べてびっくり」
エリザさんはお茶目なところも出した、このお茶目なところもまたこの人の持ち味だと思う。
「甘い」
「甘いのでして」
「そう、だから食べてみて」
「ううん、何か鮫を食べることも凄いですが」
「虫もいける」
「そうですのね」
「アボリジニーは人によっては嘘吐かない」
人によって、というのもお茶目だった。
「私はその嘘吐かない人のつもり」
「はい、エリザは嘘は言いませんわ」
「特に食べもののことは」
「そうですわね」
「だから信じて」
そしてというのだ。
「食べてみて」
「わかりましたわ、機会があれば」
「僕もそうしてみます」
ジョーンさんだけでなく僕も頷いた、そしてだった。
僕達は二人でだった、共にエリザさんに応えた。そのうえでシャークナゲットの残りも食べ終えて次の場所に向かうことにした。
第百四十七話 完
2017・7・9
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