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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百四十七話 ワニとイルカその十一

「機会があれば」
「食べて、ですか」
「楽しんで」
 僕達に微笑んで言った。
「そうして」
「わかりました」
「では機会がありましたら」
 二人でエリザさんに応えた。
「そうさせてもらいますわ」
「僕もです」
「美味しいから。あと」
 エリザさんは僕達にさらに言った。
「蟻もそうだけれど虫は美味しい」
「他の虫もですわね」
「そう」
「色々な虫が食べられて」
「日本じゃ蝗とか蝉とか蜂の子とか」
 そうした虫を挙げてきた。
「食べるし」
「蝗もですの」
「そう聞いているけれど」
「長野県ですね」
 そちらだとだ、僕は答えた。
「そこで食べますね」
「そうね」
「意外と美味しいらしいです」
 長野といえば僕的にはお蕎麦や林檎だ、諏訪神社や島崎藤村も思い出し真田幸村さんの故郷でもある。
「これが」
「そうなの。じゃあ」
「エリザさんとしては」
「食べてみたい」 
 そうだというのだ。
「是非」
「そうですか」
「食べて」
 そしてというのだ。
「味を確かめたい」
「そうですか」
「そう、それに」
「それに?」
「もう一つ食べたいものがあって」
 それはというと。
「蝉が」
「沖縄の、ですね」
「あれも食べたい」
「あっちも美味しいらしいですね」
「それも食べたい」
「じゃあ沖縄に行って」
「一度は」
「そういえば海老も蟹も」
 そうした海の幸についてだ、ジョーンさんは言った。
「外見は虫みたいですわね」
「けれど美味しい」
「そうですわね」
「外見は気にしない」
 エリザさんは言った。
「そうしたことは」
「第一は味ですわね」
「そう」
 その通りだというのだ。
「味さえよかったら」
「外見、種類はどうでも」
「食べるといい。日本に来てはっきりとわかった」
「蛸を食べてですわね」
「そう、蛸は」
 シャークナゲットもそろそろ食べ終わる、その中での言葉だった。
「その第一の証拠」
「不気味な外見でも」
「美味しい。そして美味しいとわかれば」
 それでというのだ。
「もう不気味じゃない」
「そうなりますわね」
「可愛い」
 蛸がとだ、エリザさんは微笑んで言った。 
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