八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百四十七話 ワニとイルカその九
「そうなる」
「ステーキはちょっと文明ですね」
「じゃあナゲット」
「余計に文明的かと」
揚げる機械や油、調味料が必要だからだ。
「今僕達が食べているのは」
「そう」
「はい、けれど自然ではですね」
「食物連鎖があるから」
「食うか食われるかですか」
「食べられたくないなら」
人間もというのだ。
「食べる」
「それが大事ですか」
「人間は食物連鎖の頂点にいる」
よくそう言われるがそれは武器や火や家畜を使うからで使わないと只の毛のない猿でしかない。
「けれど油断出来ない」
「食物連鎖の中にいたら」
「油断したら終わり」
つまり食べられるというのだ。
「鮫だけじゃなくて鰐もいるし昔は大きな鳥もいた」
「ああ、何か五メートル位ある」
「今も大きな怪鳥の話がある」
オーストラリアにはというのだ。
「カンガルーも殴って来る」
「ああ、結構気性が荒いんでしたね」
「これも噂だけれど」
もう名物になっている感じだけれどオーストラリアのUMAの話だ、あの国は未確認動物の宝庫だという。
「全高三メートル位の巨大カンガルーがいて」
「巨人みたいでしね」
「殴られた人がいる」
その巨人みたいなカンガルーにだ。
「大怪我したらしい」
「油断してたらそんなのにですか」
「襲われるし」
「油断出来ないってことですか」
「それが自然」
もっと言えばオーストラリアのだ。
「奇麗なばかりじゃない」
「それがリアルですか」
「そう、だから鮫も食べる」
今食べているこのお魚もというのだ。
「そして生きる」
「そうしたものなんですね」
「自然に還れとなると」
ルソーが言っていた様にだ。
「食われる前に食え」
「それが鉄則ですか」
「だから鮫も食べる」
言いながらまたナゲットを食べた。
「あと蛸も」
「そっちもですか」
「食べる、襲われるのなら」
「食べるんですね」
「逆に」
「たこ焼きにして、ですわね」
ここでまた言ってきたジョーンさんだった。
「蛸は」
「そう、やっぱり蛸はあれが一番美味しい」
たこ焼きがというのだ。
「ダントツで」
「そうですわね」
「そして食べて」
そうしてというのだ。
「生きる」
「それも自然ですのね」
「そう、アボリジニーの生活」
「自然といっても厳しい」
「それを理解しなくて自然に入ると」
その時はというと。
「海だと鮫の餌、川だと鰐の餌」
「では陸では」
「蛇に噛まれて死ぬ」
これまたオーストラリア名物毒蛇にだ、あと台湾から来た娘の話だとあちらも毒蛇の宝庫らしい。日本の統治時代日本の人達は疫病だけじゃなくてこちらにも苦労させられたのだろうか。
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