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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百四十七話 ワニとイルカその六

「そのうえで酢蛸とかにして」
「本当に簡単に捕まえて」
「それで食べます」
「何でもないのね」
「鮫はそこまでいかないですけれど」
 それでもだ。
「映画みたいなことはないですね」
「すぐに捕まえるの」
「オーストラリアみたいにホオジロザメは滅多に出ないですし」
 その映画で出て来た最大の人食い鮫だ、最大で十メートルを超えるというからとんでもない。
「シュモクザメとかですね」
「ハンマーヘッドシャークですわね」
 ジョーンさんが言って来た。
「そうですわね」
「うん、英語名ではね」
「ですわね」
「そう言ったよね」
 頭の形がトンカチそっくりだからだ、もうそのものの名前だ。
「あの鮫が結構多いんだ」
「そうですのね」
「他にもいるけれどね」
 人食い鮫と一口に言ってもだ。
「アオザメ、ヨシキリザメ、イタチザメって」
「全部日本語の名前ですわね」
「確かアオザメはモロシャークだったよね」
「はい」
 その通りだとだ、ジョーンさんも答えてくれた。
「そうですわ」
「そうだよね」
「ヨシキリザメがブルーシャークでして」
 アオザメがそうじゃなくてだ。
「イタチザメはタイガーシャークですわ」
「トラザメだね」
「そうなりますわね」
「本当に全然違うよね」
 同じ種類の鮫でも日本語と英語でだ。
「ホオジロザメは特に」
「マンイーターシャークですわ」
 文字通りだ、こんなにあからさまな名前もそうはない。
「イメージ通りの」
「そっちの海では結構多くて」
「そうなっていますの」
「怖い名前だね、まあそれでもここのナゲットはね」
「その鮫ではありませんわね」
「違うと思うよ」
 この辺りには滅多に出ないからだ、ただホオジロザメが絶滅危惧種と聞いたけれどシャチに食べられているからと聞いてびっくりしたことがある。
「まあ普通の鮫じゃないかな」
「ドチザメやネコザメでしょうか」
「そこまではわからないけれど」
「ホオジロザメではないですわね」
「そうだよ」
 そこは本当に違うと思う。
「あの鮫はこの辺りじゃ滅多に出ないから」
「瀬戸内海では」
「結構鮫も多い海だけれど」 
 数年に一回出たとかで噂になってその時は合宿でも海に出るなと言われてプールサイドで遊ぶらしい。
「その鮫は出ないね」
「そうですのね」
「うん、まあけれど鮫は鮫だから」
「その鮫を」
「食べようね」
「わかりましたわ」
「楽しみ」
 エリザさんがここでまた言ってきた。
「食べるのが」
「そこまでなんですか」
「そう、それじゃあ」
「今からですね」
「行こう」
 僕とジョーンさんを急かしてきた。
「すぐに」
「鮫を食べに」
「その為にね」 
 笑ってだ、まずはカレーライスとハンバーグを食べた。水族館の中で食べても味は磯のそれはなく普通に美味しかった。 
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