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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百四十七話 ワニとイルカその五

「日本人独特の発想」
「オーストラリアでは鮫は」
「食べる人もいるみたいだけれど」
「メジャーじゃないですか」
「ひょっとしたらナゲットも」
 そちらもというのだ。
「あるかも知れないけれど」
「オーストラリアで見たことはですか」
「ないの」 
 そうだというのだ。
「これが」
「そうですか」
「ここで聞いたのがはじめて」
 そのシャークナゲットはというのだ。
「だから是非」
「食べたいですか」
「そう」
「日本ならではだからですか」
「聞いたら結構食べてる」
 鮫、この魚をというのだ。
「日本でも中国でも」
「はい、中国でもですね」
「フカヒレ」
「それですね」 
 あまりにも有名な高級食材だ、大阪の難波にある蓬莱という有名なお店ではフカヒレラーメンというラーメンまである。
「中国人はそれを食べますし」
「日本人もナゲット以外にも」
「蒲鉾にします」 
 よく捕まえてそうしてしまえという台詞が鮫が出て来る漫画や小説や映画で出て来る。お決まりの言葉の一つだ。
「あと煮凝りにも」
「煮凝り、あれね」
「はい、あのお料理にしてです」
 そしてというのだ。
「食べます」
「そうなのね」
「結構種類あります」 
 日本の鮫料理もだ。
「むしろナゲットは新しい料理ですね」
「そうなの」
「鮫は昔から馴染みがありまして」
 それこそ神話からだ、因幡の白兎の話は日本の子供なら誰でも知っている物語の一つだろう。
「それで海で捕まえて」
「食べてるの」
「そうなんです」
「妖怪よりも怖くないの」
「まあそうですね」
 言われてみればだ。
「海坊主とか船幽霊とかよりも」
「あとあやかしとか磯女とか」
「そんなのよりはずっと怖くないです」
 そうした妖怪の話を聞いている限りはだ。
「まだ」
「そうね」
「はい、他にも海難法師とか七人ミサキの話がありますけれど」
「そういう妖怪は」
「もう怨霊でして」
 それそのものだ、正直日本では妖怪や鮫や山の狼、熊よりも怨霊の方が遥かに恐ろしい存在だ。
「絶対に会ってはいけないし見てもいけない」
「そんな相手なのね」
「もう鮫と比べたら」
 それこそだ。
「全然違います」
「そこまで怖いの」
「はい、日本じゃ鮫に食べられた人よりも」
「鮫を食べた人の方が多い」
「そうなんです」
 実のところそうだ、そちらの方が遥かに多い。
「蛸と一緒で」
「ミズダコと」
「そっちは人を襲うこと知らないです」
 日本人の殆どがだ。
「食べものとしか思っていません」
「人を襲うどころか」
「人が食べます、簡単に捕まえて」
 蛸壺を使ってだ、思えばこれを発明した人も凄い。 
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