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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百四十七話 ワニとイルカその四

「これがね」
「確かに美味しいですわね」
「納豆スパゲティ」
 エリザさんはカレーを食べつつ言ってきた。
「これは凄い」
「ああ、あのスパゲティですか」
「納豆をスパゲティにかけるとか」
「普通はですね」
「発想がつかない」
 とてもという口調での言葉だった。
「日本人凄い」
「あのスパゲティは日本人でも」
 僕は少し苦笑いになってエリザさんに応えた。
「食べない人多いですよ」
「外見も匂いも味も凄いから」
「はい、僕も実は」
「義和納豆は」
「好きです」
 それ自体はとだ、僕ははっきりと答えた。
「御飯にかけたりしたら」
「その場合は」
「おうどんや納豆にかけても」
 山かけうどんの要領でだ、東北の方でお魚の缶詰と混ぜてそこにおうどんを入れて食べるひっぱりうどんが美味しい。
「美味しいですが」
「それでもなの」
「スパゲティになると」
「抵抗があります」
 心理的にだ。
「どうしても」
「それで食べないの」
「食べたことはないです」
「じゃあタラコスパゲティは」
 今度はこちらのスパゲティを出してきた。
「どう」
「そっちもです」
「食べないの」
「絶対に」
 納豆スパゲティと同じくだ。
「そうなんです」
「和風スパ嫌いなの」
「種類によります」 
 正直なところだ。
「親父が結構スパゲティ作ってくれて」
「それで食べて」
「和風でしたら山菜とか醤油味は好きですけれど」
「納豆やタラコは」
「親父も作ったことがないですし」
 今思い出したけれどそうだった、どうも親父もこうしたスパゲティは嫌いなんじゃないだろうか。
「僕も外で見ても」
「食べようとは」
「思わないです」
「そうなの」
「はい、そうなんです」
「わかったわ、実は私も」
 エリザさん自身もというのだ。
「そういったスパゲティはどうも」
「苦手ですか」
「見ただけでどうも」
 こう僕に話してくれた。
「だから」
「そうなんですね」
「ただ。最近は海の幸は大丈夫になったから」
 それでというのだ。
「ペスカトーレも好きだしボンゴレもイカ墨も」
「どれもですね」
「好き」
 僕に微笑んで言ってくれた。
「特にイカ墨が」
「あのスパゲティが」
「インクをかけたみたいだけれど」
「よくそう言われますね」
「それが今ではいい」
 こう言いつつ今はカレーライスを食べていた、勿論ハンバーグも。それを食べてそうしてだった。
 レストランを出てからだ、エリザさんはまた僕に言ってきた。
「シャークナゲット」
「次はそれですね」
「それを食べよう、これも」
 その鮫肉を揚げたものもというのだ。 
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