夢幻水滸伝
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第四十五話 神戸の大工その六
「そこははっきり言うで」
「そうなんか」
「そや、女の子だけや」
芥川の趣味はというのだ。
「それも小柄で子供みたいな顔の美少女や」
「小学生みたいなか?」
「そこはちゃう、小柄で巨乳のな」
「趣味五月蠅いな」
「そうした娘が好きなんや」
それが芥川の趣味だというのだ。
「そやからな」
「女装男子はか」
「そうした奴は大抵胸がない」
男は胸がない、女装してもそれはどうしても出てしまうというのだ。
「それでや」
「わかるんやな」
「服の下で膨らませてもわかる」
「偽物かどうかはか」
「そうや、生は見てもわかるねん」
「どうしてわかるねん」
「勘や」
それでわかるというのだ。
「それでわかる」
「それでかいな」
「そや、偽物の胸っちゅうのはな」
中に入れているそれの話をしていく芥川だった。
「本人が一番よおわかってるやろ」
「それが表に出てか」
「勘でこれは、って思うねん」
「態度でわかるんか」
「そや、こっちが胸見るやろ。ちらっとでもな」
そうすると、というのだ。
「相手もそれがわかる、それで本物やったらな」
「どんな風に出るねん」
「自慢の胸やったら口元や目元が微かにでも笑うけどな」
それがというのだ。
「偽物やったら疚しいことがある顔になる」
「それでわかるんか」
「そや、ましてや男の娘やったらな」
「余計にかいな」
「それが出るんや」
態度にというのだ。
「ほんまにな」
「絶対にないものやからな」
「そや、普通はな」
この辺りは体質にもよる、特殊な手術を受けて胸を無理に大きくしたりする場合もあるにはある。だがそれでも普通はというのだ。
「それがどうしても出るんや」
「細かいところにか」
「それでわかるんや」
「見てそこから勘でか」
「ぴんてくる、まあ第一は観察眼か」
勘よりはとだ、芥川は狐に話した。
「それでわかるわ」
「女装と本物はか」
「そういうものや、それで僕はな」
「女の子が好きか」
「ロリ、巨乳、小柄のな」
この三つの要素が合わさったというのだ。
「それが好きやねん」
「それがわかったわ、ただな」
「ただ?何や」
「自分のおなごの趣味は五月蠅いな」
狐は自分の主のこのことに今気付いた。
「その三つってな」
「そうかもな、まあ第一は性格やけどな」
「そっちか」
「性格悪いとどうにもならんわ」
そうした女は例え自分の好みを全て満たしていてもというのだ、このことも真面目に話す芥川だった。
「ほんまにな」
「それは実際やな」
「そうやろ、ほなな」
「もう但馬に入ったで」
狐は下を見て芥川に話した。
「もうすぐや」
「ほな牧場に行ってな」
「誘いかけるか」
「こっちの陣営に入る様にな」
こう話してそしてだった。
芥川を乗せた狐は但馬にあるとりわけ大きな牧場の前に降り立った、柵で囲まれた牧場ではかなりの数の牛や豚、羊に馬達がそれぞれの柵の中でいた。鶏達もいて周りには番犬の犬達がいる。そして人もいた。
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