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夢幻水滸伝

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第四十四話 山と海その十二

「警官、教育を司る官僚、牧童、漁師、坑夫、鍛冶屋、大工、建築士とです」
「あれっ、教育もか」
「はい、私も酪農の専門家を失念していまして」
「実は十二人やったか」
「申し訳ありません」
「いやいや、これで全員揃ったか」
「つい先程お二人から連絡がありました」
 芥川、そして綾乃からというのだ。
「それぞれが受け持って頂いた全ての人材がです」
「来てくれることになったんか」
「はい、これで内政は万全です」
 太宰は中里に微笑んで答えた。
「太平洋全土すら問題なく治められます」
「それは凄いことやな」
「当然関西ひいては日本もです」
「とんでもなく豊かになるか」
「はい」
 太宰は中里に笑みを以て答えた。
「十二人の力で」
「大きいな、しかしうち星の数でいうたら大所帯になったな」
 中里は太宰にこのことを指摘して述べた。
「神星が三人おってな」
「そのうえで、ですからね」
「星の奴は神星の他に二十一人ですし」
「自分に吉川、玲子ちゃん、夏目と中原、佐藤兄妹にやよいちゃんでな」
「西国の九人、そして傭兵の四人」
「あの四人は一時的やけどな」
 傭兵なので臨時に雇っているだけである。
「全員合わせて三十七人か」
「星の者の数では他の勢力よりも上です」
「太平洋の他の連中は大体二十人ずつ位か」
「はい、アメリカも中国も南洋も中南米もです」
 どの勢力もというのだ。
「それ位ですし欧州やロシア、インド等もです」
「僕等多くないか」
「このことは大きいです」
「二百十六の星、そして十八の神星のうちでやな」
「三十六人です、この力を使い」
 そのうえでというのだ。
「内政を整えそして」
「日本を統一してやな」
「太平洋も統一しそこで、です」
「太平洋全体の内政をか」
「整えてさらに力をつけ」
 そしてというのだ。
「他勢力に勝てる下地を作りましょう」
「日本統一してもうちが太平洋で一番勢力小さいしな」
「そうです、その我々が他の勢力に勝つには」 
 太宰は日本は統一しても太平洋で覇権を争う勢力の中で最も小さい、人口や国力、資源においてそうであることを自覚しつつ中里に話した。
「国力を備えること、そして」
「星の奴やな」
「その力を使うしかありません」
「やっぱりそうなるか」
「何しろ国力で第一になっている分野がないのです」
 それが統一したとしても日本の弱みだというのだ。
「人口、総生産量、資源、技術等において」
「人口やったら中国、技術はアメリカ、資源は南洋やな」
「はい、惣生産は米中が同じ位でしょうか」
「日本はどれも二位か三位か」
「中南米と比べても落ちます」
 大体アメリカ、中国、南洋、中南米の順となっている。その国力でのランキングも頭の中に入れて語る太宰だった。
「ですから」
「第五位、その我々が太平洋を統一するには」
「星の連中の力でそれでも国力を底上げしてやな」
「そして星の者の数と力で」
 その二つでというのだ。
「戦うしかありません」
「そして勝つしかないか」
「そうです、ですから」
「それでやな」
「我々は星の者を一人でも多く集めねばなりません」
「そういうことやな」
「内政を担う人材は揃いました」
 このことをまた言う太宰だった。 
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