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夢幻水滸伝

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第四十四話 山と海その十三

「後はです」
「東海と北陸の連中を併呑してやな」
「関東と東北、蝦夷も飲み込み」
「日本を統一、そこにおる星の連中をやな」
「全員我々の仲間にするのです」
 そうすべきというのだ。
「合わせて十五人、彼等を全て」
「東海の四人、北陸の二人とか」
「東国の九人です」
 太宰はそこの星の者の数も話した。
「傭兵の四人の契約が切れると三十三人、ですが十五人入りますと」
「四十八人か」
「他の勢力の二倍以上です」
「星の奴の数ではな」
「はい、ですから」
 それでというのだ。
「そこをです」
「それを星の数で補うか」
「浮島を要塞化して動かすものを使いますが」
「それは他の勢力も造ってるんやったな」
「はい、各勢力が」
「ほんま人の考えることは一緒やな」
 あらためてこのことを思った中里だった。
「どの勢力を浮島を要塞にして空を進む様にしておくか」
「それで攻めてきます」
「こっちにもやな」
「おそらくどの勢力もまずは一番力が劣りますが星の数で圧倒している我々に来ます」
 日本にというのだ。
「その各勢力とどう戦いそして勝つか」
「それが問題やな」
「この四十七人で戦いましょう」
「そうするか、しかし二百三十四人のうち四十七人か」
「日本が一番多いです」
 星の者の数で言えばというのだ。
「やはり」
「やっぱりそうか」
「覇権を争う勢力はそれぞれ二十人ずつ程度で合わせて八十人、あとカナダやモンゴル、台湾、韓国等に一人ずつです」
「そんな感じか」
「香港とマカオにもいまして」
「太平洋は百三十三人位か、星の奴の数は」
 中里は頭の中で足し算をしてこれだけの数を出した。
「それ位か」
「大体それ位です」
「星の奴の大半が集まってるんやな」
「どうも星の者は全て八条学園高等部の学生なので」
「それな、不思議やな」
「あの学園に何かあるのではとも考えてますが」
「怪談話がめっちゃ多い学園やしな」
 その多さは世界一だとも言われている、イギリスのボーリィ牧師館やロンドン塔すら凌ぐという噂がある。
「何かあるかもな」
「そうですね、とにかく八条学園高等部の学生といいますと」
「日本の学校やから日本人が多いしな」
「日本中から集まっています、そして」
「太平洋の奴が多い」
「留学生では」
「それでか、星の奴もか」
「太平洋が一番多いのかと」
 こう中里に述べた。
「私はそう考えています」
「成程な、そうかも知れんな」
「現実の世界とこの夢の世界は密接に関わっているかと」
「そうか、別々の世界やと思ったらか」
「別の世界であってもです」
 このことは間違いない、何しろ現実の世界とは浮島や生きもの、国土の広さや文明の在り方と何から何まで違うからだ。
 だがそれでもとだ、太宰は中里に話すのだった。
「それでもです」
「二つの世界には関りがあるか」
「そうかと、少なくともこの世界でもです」
「八条学園高等部がかなり影響しているか」
「そう思います、それでこの世界の日本ではです」
「僕等の学校が日本人が一番多いからか」
 それでとだ、中里も言った。 
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