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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百四十六話 たこ焼きその二

「食べないです」
「日本人ですら」
「すらっというと何か凄いですけれど」
 本当にだ。
「食べないです」
「そうなの」
「あの蛸は」
「蛸が大好きな日本人も」
 全世界の蛸の消費のかなりの割合が日本で、らしい。そしてもっと言えば関西が一番多いらしい。
「ヒョウモンダコは食べないの」
「ないですね」
「たこ焼きにしたら」
「ないですね」
 ヒョウモンダコのたこ焼き、聞いたことがなかった。
「それに毒がありますからね」
「食べても毒なの」
「そうかも知れないですね、何か」
「何か」
「河豚と同じ毒らしいんですよ」
 テトロドキシンだ、とんでもない猛毒で間違えて食べればその時は死を覚悟するべきな位だ。
「これが」
「河豚の」
「河豚のお話は知ってますね」
「食べたことはないけれど」
「季節じゃないですから」
 大体秋か冬が河豚の季節だ、夏はあまり食べない。
「それに高めですし」
「高いの、河豚」
「はい、これが」
「獲れるのは多いんじゃ」
「多いですけれど」 
 それでもだ、河豚については。
「何しろ毒がありまして」
「そのせいでなの」
「はい、調理に手間がかかりますから」
 それでなのだ、河豚の値段は。
「高いんです」
「そうなの」
「はい、その分河豚が高いんです」
「そうなの」
「けれど美味しいです」
 僕はエリザさんに河豚のこのことも話した。
「このことは間違いないですから」
「そう、河豚は美味しいの」
「だから食べるんです」
 日本ではだ、あと今はそれ程でもないらしいけれど中国でも河豚を食べていて漢詩にもなっていると聞いている。
「お刺身とかお鍋とか唐揚げにして」
「色々な調理の仕方で」
「食べているんです」
「そうなの」
「とにかくあっさりしていて美味しいです」
 河豚はだ、僕も好きだ。ちなみに親父も好きで毎年冬になると僕を河豚料理のお店に連れて行ってくれる。
「味はいいんです」
「毒はあっても」
「はい、いいお魚ですよ」
「じゃあ一度」
「食べてみるといいです」
「わかったわ」
「蛇は毒があっても料理すれば毒が消えると聞いています」
 ジョーンさんがこの話をしてきた。
「熱を入れますと」
「蛇の毒は蛋白質だからね」
「それで、ですの」
「熱を入れたらね」
 幾ら強い毒でもだ、だからキングコブラもサンゴヘビも熱するとそれでもう毒じゃなくなってしまう。 
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