八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百四十六話 たこ焼きその一
第百四十六話 たこ焼き
エリザさんはお気に入りのその屋台のたこ焼き屋さんに案内していた、その案内してくれている道を見てだ。
僕はエリザさんに対してこう言った。
「どのお店かわかりました」
「そうなの」
「はい、この道を見て」
それでと答えた。
「よく」
「義和も知っているお店」
「美味しいお店ですよね」
「ええ、とても」
「安くて大きさも手頃で」
「八条町にも何点かあるけれど」
たこ焼き屋さんがだ、屋台だけでなく普通のお店でもある。二つの商店街のどちらにもいいたこ焼き屋さんがある。
「私としては」
「あのお店のがですね」
「一番好き」
「そうなんですね」
「義和の一番好きなお店は」
八条町の中でというのだ。
「何処なの」
「そう言われると難しいですね」
僕の偽らざる気持ちだ、エリザさんの今の質問に対しては。
「どうにも」
「そうなの」
「今町にあるお店は全部行きました」
そして食べてきた。
「ですがどの店もそれぞれの味があって」
「美味しい」
「ですから」
まさにそれでだ。
「どれが一番いいとはです」
「言えない」
「そうなんです」
こうエリザさんに話した。
「どうにも」
「そうなの、じゃあ」
「じゃあ?」
「一番よくお店は」
一番美味しいお店は答えられないならというのだ。
「何処なの」
「そうですね、学園の近くの商店街のですね」
「あそこのたこ焼き屋さん」
「あそこが一番よく行って」
「食べてるの」
「そうしています」
実際にだ、このことは。
「一番は何処かといいますと」
「あそこも美味しい」
「そうですよね」
「大きいたこ焼き」
あのお店の特徴だ。
「そして紅生姜を利かしている」
「あのお店の特徴ですね」
「私も好きだけれど」
「一番はですね」
「これから行くお店」
まさにそこだというのだ。
「何といっても」
「何かすっかりですわね」
一緒にお店に向かうジョーンさんが言うことはというと。
「たこ焼き好きになってますわね、私達」
「怖かったのが」
「エリザの場合は」
「けれど今では」
「好物ですわね」
「大好物」
好物どころかというのだ。
「本当に、ヒョウモンダコも食べられるかも」
「あの蛸食べられるんですか?」
「日本人も食べないの」
「聞かないですね」
さっきも話したと思うけれど全くだ。
「全く」
「そうなの」
「毒ありますし数も少なくて」
この二つの要素のせいでだ、間違いなく。
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